16 トモダチ神経衰弱 ページ16
「おかえり日向。どうだった？」
山口は聞いてみたものの、日向の様子が明らかに普通ではないので、
何が起きたかなんとなく予想はついた。
他の2人は特に気に止める様子もなく紅茶を飲んだり、部屋を歩きまわったり、トレーニングしたりしている。
「……当てちゃった。」
「「は？！」」
月島と影山が尋常でないスピードで反応した。
「当てたって、どういうこと日向？」
「おまえカードよく見たか？見間違いじゃねえのか？」
驚きが収まっていないらしく、口をパクパクさせながら日向は、ペアとなった2枚のカードを2人に差し出した。
「…うそ。」
「マジじゃねえか。」
紛れもなくそれはペアだった。
いつもの神経衰弱ならば、「日向がペア当たるなんてマグレ以外ねえだろ」とバカにされるが、
今回は違った。
これはただのペアではない。
既に、ここにいる4人全員が、
たった2枚のカードを100万だと錯覚するようになっていた。
日向が偶然だが当てたペアが、喉から手が出るほどほしくて皆たまらなかった。
羨みの視線が日向に一斉に向けられた。
日向はまだ、自分の手の中に100万があるとは信じられていない。
だが、他の3人は日向の姿を見て、100万、あるいはそれ以上がほしくてほしくてたまらなかった。
『日向翔陽クン、100万ゲットオ〜！！！
残り7ペア！！！
みんなあ〜、本当にお金が欲しいんなら、
“どんな手を使っても”全力で獲りに行かなきゃ、
日向翔陽みたいなラッキーボーイにぜえーんぶ獲られちゃうよ？？？』
突如、マモルくんの放送が入った。
さっきと何も変わらない、バカにしたような言い方であったが、
『お金がホシイ』という欲望が。改めて日向以外の3人の胸の中で高鳴った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
zeneigbkama(プロフ) - RI-SAさん» ありがとうございます！更新は不定期ですが、頑張ります！ (2018年5月1日 22時) (
レス) id: acc0dd272f (このIDを非表示/違反報告)
RI-SA(プロフ) - うっひょぁぁ面白そうですねぇこれは・・・ﾌﾌﾌ 更新頑張ってくださいませﾌﾌﾌ (2018年4月30日 21時) (レス) id: 2299559bbc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スイカ | 作成日時：2018年4月5日 22時
