7. ページ8
なんだか話しかけづらい
もしかしたらわたしとの約束は忘れて、あそこのグループと一緒に食べるのかも
話しかければいいものを、どうしても声が出せない
突き放されるのが怖い
お弁当を持って、いつもご飯を食べている図書室へむかう
図書室って本来は飲食禁止なんだけど、昼休みには司書さんもお昼を食べに行ってしまうから見ている人は誰もいない
食べ終わったら本を読んでればいいし
本が好きなわたしにはうってつけの場所だ
はやく、はやく…
廊下をいつもより大股で歩く
「藤田さん…?」
と、目の前には先程教室にいた一ノ瀬くん
なんで…教室に居たはずなのに
「い、ちのせくん
あれ、教室に居なかった…?」
「ああうん、そのあと中庭通って購買行ってた」
そう言う一ノ瀬くんの手には購買の袋がぶら下がっていた
「あぁ…中庭か」
高1の教室は一階にあって、校舎の中を通るよりも中庭を横切る方が早く向かい側の校舎に着いたりする
購買も図書室も教室の向かい側の校舎にあるため、必然的に一ノ瀬くんの方が早く着いたのだ
「藤田さんも?購買?」
「い、や…図書室に」
「図書室に用事?俺暇だからついていくよ」
「っえ、なんで?!」
「なんでって…一緒に食べるんでしょ?」
一ノ瀬くんが当たり前のように言った言葉に驚き嬉ぶ
「…っ覚えててくれたんだ」
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひより | 作成日時:2019年7月18日 14時