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「その幼馴染と食うか、適当にそこら辺にいる奴と食うか
たまにひとりで食べるけど」
そこはわたしと一緒じゃなくて少し悲しい
一緒に食べる友達も作り損ねたなんて恥ずかしくていえない…！
「藤田さんは？ぼっち飯？」
ぎくっ！
痛いところをつかれて体が跳ねた
あああ、わかりやすすぎるって！
隠し事が下手なところ、本当になおしたい…
「図星か
…今日、一緒に食べる？」
一ノ瀬くんの提案はわたしの想像を劇的に超えてきて
嬉しくて自分の顔に熱が集まってきていることが感じられる
「い、いの…？」
「うん、今日は幼馴染も休みだし
なんかここで放っておくのも藤田さんが可哀想…」
同情心からきた提案であっても嬉しいことに変わりはない
こんなにお昼が楽しみになったのはいつぶりだろう
「ありがとう、ございます」
鼻の奥がツンとして、声が震えた
視線が滲み出す
ここで泣くのはまずいと急いで席をたってトイレに向かう
先生が教室にいなかったのが救いだった
いま一言でも声を出したら涙が溢れてしまう気がして
きっとこの涙は安堵の涙
たしかに、一ノ瀬くんに誘ってもらえたという嬉し涙もあるんだろうけれど
誰かが一緒にいてくれるということが自分のなかでとても大きなものだった
わたし、思いの外ひとりが寂しかったんだなぁ
涙が落ち着いたころを見計らい、顔を洗ってからトイレを出る
授業は終わったようで、廊下で生徒が話している中
教室に戻ると一ノ瀬くんは相変わらず寝ている
本当にブレないなあ
4限目の授業の後、一ノ瀬くんを探すためにさり気なく辺りを見回す
いた、！
男子のグループの１つに混じって楽しそうに話している一ノ瀬くんを見つけた
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作者名：ひより | 作成日時：2019年7月18日 14時
