▶︎ べびじぇの貴重なオフ ページ24
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「 え、来週末オフ？ 」
『 うん！珍しく土日オフにしてくれたの。 』
「 俺もオフだよ。 」
『 知ってるから言ったんだよ〜。 』
撮影の合間、嬉しそうに報告してきたA。
オフが重なるのは、ここ最近では珍しいこと。
ありがたいことではあるんだけど、2人で出かけられないことが多くて実はかなり寂しい。
「 も〜…めちゃくちゃ可愛い、べび。 」
『 それでね、お願いあるの！ 』
「 ん？なに？ 」
可愛すぎて抱き締めれば、顔だけがひょっこり腕の中から飛び出てきて、じっと見つめてくる。
あ〜、キスしたい。
怒られるかな。
今なら誰もいないし、いい？
なんて考えつつ顔を近づけたら、手のひらで口を押さえられた。
『 ちゅうは後！ 』
「 なあんでよ！今したい！ 」
『 その前に話聞いて！ 』
俺の腕から抜け出したAはスマホを持ってきて、画面を見せてくる。
『 ちょっと遠出して、温泉行かない？ 』
「 車？ 」
『 もちろん。 』
「 え〜…べびに運転させるの？休みの日に？ 」
『 途中でSA寄って、のんびり行きたいなあって。だめ？ 』
俺が免許を持ってないから、必然的にAの運転にはなるんだけど、実はあんまり好きじゃない。
やっぱり危ないなって思っちゃうし。
免許取るって言い出したときも、半分喧嘩みたいになったくらいには心配。
でも、この可愛い顔を見たらノーとは言えない。
「 いいよ。今回もお金は俺に出させて？ 」
『 え〜…いつも出してもらってるもん。 』
「 俺たちの約束でしょ？ 」
付き合い始めは割り勘にこだわってたAに合わせてたけど、それなりにお仕事するようになってからは、Aには基本的に財布を出させないようにしてる。
女の子はただでさえお金がかかるし、何よりも、俺がしてあげたいって気持ちが大きいから。
『 SAはわたしね！ 』
「 だあ！俺の話聞いてた？(笑) 」
『 聞いてるも〜ん。 』
まあ、最近はこうやってちょっとしたところで出してくれようとするから、その時は渋々ね。
『 ここね、露天風呂がお部屋についてるんだよ。 』
「 一緒入れるね。 」
『 …そ、うだね。 』
随分俺たちは大人になって、それなのにまだそういうのは恥ずかしがるのも可愛いところ。
「 やっぱり、べびちゃんだね。 」
愛おしさを込めてキスを落とせば、ちょうど戻ってきた樹に見られた。
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作者名：moi | 作成日時：2024年3月19日 21時
