しまうまくんのベイビー (ページ20)

今日:699 hit、昨日:1,184 hit、合計:169,389 hit

- ページ20

- hokuto side

2人の関係性を知ってるのは、事務所内の人間だけ。

他の人たちは、「ジェシーが溺愛してるだけ」としか思ってない。

というか、そういう認識を植え付けてる。

溺愛してるのは事実だけど、Aもかなりジェシーに惚れてるんだから、' ジェシーだけ ' ではない。

「べび〜、おはよ。」

『おはよう。朝からお疲れ様。』

「ありがとう。ちゃんと朝ごはん食べた？」

『食べたよ。』

午後からメンバー全員での収録。

朝から別仕事があったメンバーもいて、順番に集まってくる中で、俺とAは先に来てた。

そこにやってきたジェシーは、真っ先にAの元に走って行って抱きしめてる。

［本当に仲良いよね、あの2人。］

［付き合ってないっていうけど、怪しいよね。］

なんて話してるスタッフの声が聞こえた時は、俺の出番。

2人に近寄ってAの腰を引き寄せれば、『わっ…！』とびっくりした顔してる。

ジェシーは一瞬むっとしたけど、俺の視線に気づいて笑顔を作った。

『北斗くん？どうしたの？』

松村「ん〜？貴方が可愛くて。」

『え…あ、ありがとう、？』

俺に褒められ慣れてないからか、ほんのり赤くなる頬。

あ〜これはまたジェシーが嫉妬するなって思うけど、仕方ない。

あくまでこれは、守るため。

「北斗、俺にハグは？」

松村「はいはい。ジェシーもね。」

俺たちにとってハグなんていつものことだから、ハグしてたら、スタッフたちから［仲良いんですね。］って言葉。

元々距離感が近いから、不自然なことはない。

だけどやっぱり2人の距離感、雰囲気って独特だからね。

「北斗に可愛いって言われて嬉しかった？」

『拗ねてるの？』

「別に〜。」

『ジェシーに言われる可愛いが一番好きだよ。』

俺たちがべびに構いすぎると拗ねるけど、扱い方をわかってる。

こういう時、悪者…というか、俺がAに絡むとそっちにみんなの視線がいくらしく、そういう役目を請け負ってる。

『ほくちゃん。』

松村「はあい。どうしたのよ。喉乾いた？」

『ううん。ありがとう。』

自販機にきたら、ついてきたA。

この子は、守られてる自覚が誰よりもある。

松村「いいのよ。貴方のためならね。」

辛い思いをしてきた君を守れるなら、俺たちは必ず盾になると…そう約束したから。