しまうまくんのベイビー (ページ17)

今日:484 hit、昨日:1,184 hit、合計:169,174 hit

- ページ17

-

自分がかなり嫉妬深いのは、十分に理解してる。

慎太郎とAの関係性を羨ましいと思ってしまうのは、必然のこと。

『慎ちゃん。』

そう呼んで、いつも慎太郎の隣に居た女の子。

誰もが、2人が結ばれるのが運命だと思ってた。

現に、俺とAが付き合い始めた時にも周りからは「慎太郎じゃなかったんだ？」なんて声が多くて。

『ジェシー…？』

今は俺の名前を呼んで、俺を求めてくれるってわかってるのに、それでも慎太郎と仲良くしすぎてると不安になる。

慎太郎のことも、俺すごく好きなのに。

「べび、ごめんね。」

『何で謝るの？そんな顔しないで。』

楽屋から出てきて、2人で座った階段。

俺を心配そうに見つめて、頭を撫でてくれる小さな手を握れば、優しく握り返してくれる。

『ヤキモチ妬いてるジェシーも大好きだよ。』

表情だけで汲み取ってくれたのか、そう言って笑ってくれるから、この子に勝てないなあと何度も思わされる。

「なあんでそんな可愛いこと言うの。」

『あれ、タイミング違った？』

「ん〜ん、めちゃくちゃ欲しかった。その言葉。」

華奢な身体を抱き寄せれば、今日は優しくて甘い赤ちゃんみたいな香りが俺を包んでくれる。

「慎太郎になりたいって思うことあってね。」

『え〜…慎ちゃん？なんで？』

「 Aを小さい頃から全部知ってるじゃん。」

小さい時はどんなことで泣いて、怒って、笑って

どんな風に家族に愛されてきたのか

俺は写真でしか知らない、Aの時代を慎太郎は全部知ってる。

『 …ジェシーが幼馴染だったらわたしやだなあ。』

「なあんでよ。」

少し身体が離れて、じっと見つめてくる。

『小さい頃から一緒だったら、今よりもっと好きが大きくて、胸がきゅう〜って苦しくなっちゃいそうだもん。』

「それは…ずるいじゃん。」

『この数年一緒にいるだけでいっぱい好きになってるんだから、当然の悩みでしょう？』

いつもは赤ちゃんみたいにふわふわしてるのに、こういう時に的を当てくるから、本当にずるい。

たまらず軽くちゅっと頬にキスを落とせば、お返しに唇が重なった。

『大好きだよ。』

「俺も。」

嫉妬して不安になっても、またこうして俺を安心させてよ。

そんな願いを込めて、俺からももう一度キスをした。