しまうまくんのベイビー (ページ16)

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- you side

『ジェシー、髪の毛当たってる。』

「わざとしてんの〜。」

『もう、危ないんだってば〜。』

仕事終わりに家にきたジェシーは、料理してるわたしの腰に腕を回して、肩に顎を乗せてる。

ふわふわの髪の毛が頬に当たってくすぐったいし、たまに抱き締める力を強めてくるから、バランスを崩しそうで危ない。

「 …Aが悪いんじゃん。」

『わたし？』

「俺来た時ずーっと慎太郎と電話してた。」

確かに、来た時にちょうど慎ちゃんから電話がきてた。

お互いオフが重なる週末に家族絡みでご飯に行こうってお誘い。

デビュー前から不定期で開催されるから、『久しぶりだね〜。』なんて盛り上がってた。

『怒ってるの？』

「怒ってはないけど。」

『じゃあ拗ねてるんだ。』

「最近、俺より慎太郎でしょ。」

たまに、こうして慎ちゃんに嫉妬全開になる。

タイミングはよくわからないけど、こうして拗ねてしまうと数日は機嫌が治らない。

『そんなことないよ。』

「一昨日も慎太郎とご飯食べてた。」

『あれは、撮影の時間が先だったからだよ。』

「とにかくやだった。」

大きい身体で子どもみたいに拗ねてるのが可愛くて、一旦手を止めて振り返れば、むすっとしてる。

『明日は一緒にご飯食べよ？』

「それだけ？」

両頬を包むみたいにして触れてくるジェシーの大きな手。

その手に自分の手を重ねれば、顔が近付いてくる。

「そんなんじゃ俺、全然機嫌治んないよ。」

『 …ちゅうしたら治る？』

「ん〜、ちょっと。」

『わたしのちゅうって、そんなに価値ないんだ。』

ちょっと意地悪したくなって拗ねたフリしてみたら、噛みつくみたいに重なった唇。

そのまま隙間から舌が入ってきて、苦しいくらいに絡められる。

『んぅっ…、じぇし…、』

「煽ったお返し。」

唇が離れれば、妖艶に笑うから、さっきまでと形勢逆転。

そのまま抱き上げられて、有無を言わさずベッドルームに運ばれる。

『ご飯は？』

「後で。」

こうなったら、もう逃げられない。

また近付いてきた唇を受け入れれば、部屋の電気が落とされる。

きっと、さっき作ったハンバーグは朝ごはんになっちゃうね。