42 ページ44
あれから。
人間に戻った高地と俺は、二人で喜んで、大笑いして、ちょっと泣いて、ぎゅっと抱き合って。
ようやく少しだけ落ち着いたけどお互いから離れる気にはなれなくて、すっかり日が高くなってからも、二人でベッドに潜ったままでいた。
今。俺の腕の中には、何年も馴染んできたままの愛しい恋人がいる。
「なあ、ジェシー…」
「んー?なにぃ、こーち?」
「俺ら、そろそろ仕事行かなきゃじゃない?今日、何時からだっけ…」
「ああ… 仕事は夕方からだから、まだ大丈夫だよ。もうちょっとこうしてよーよ」
「ん…」
寝乱れてツンツンの髪に唇を寄せると、俺の背に回った腕に力がこもる。
いつになく素直な高地に、この上ない幸せを味わっていた。
「皆にも謝らなきゃな…昨日はいろいろ迷惑かけちゃったし…」
「そんなことないよ。そりゃ心配したけど、仲間だし。ほら、やっぱりこーちは俺たちの大事なリーダーだからさ!」
「いや、それはねぇだろ」
「それはあるよ!!こーちが戻ってきてくれて、ほんとによかった…」
苦笑する高地を抱き寄せて、ちゅ、ちゅ、とその滑らかな首筋に口づける。
高地はくすぐったそうに肩をすくめると、ゆっくりと身体を離した。そして、俺の頬にそっと手を当てると、真剣な顔で言った。
「あのさ、一日遅れちゃったけど… 誕生日おめでとう、ジェシー」
「ありがと、こーち。遅れたとか、そんなんどうでもいいよ。こーちが戻ってきてくれたのが、俺にとって最高のバースデープレゼントだからね!」
「うっわ、キザだな〜!」
わざとカッコつけて言うと、高地は目を細めて嬉しそうに笑った。
「それにしてもさぁ、まさかあんなことがおきるなんてねえ。人生まさかの連続だけど、さすがの俺もビックリだったよ」
「あ、うん…あのさ、もしかしたら。あれ…俺のせいかも…」
「え?なんで?」
高地は言いにくそうに目を逸らすと、俺の腕から抜け出して半身を起こした。温もりが消えたのがさみしくて、俺も慌てて起き上がる。
しばらく無言でいた高地は、やがて意を決したように話しだした。
674人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sail(プロフ) - maru05032さん» maru05032さん、嬉しいご感想をありがとうございました!「すっごく面白かった」のお言葉が目に入った瞬間、書いてきてよかった〜と心から思いました( ; ; )やっぱりjsygには幸せでいてほしいですもんね!次回作、また何か書けるようにがんばります^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - ventさん» ventさん、コメントをありがとうございます!!嬉しいお言葉がいっぱいで、二ヶ月ちまちま投稿してきて本当によかった…と感じ入っております。この話のjsくんはいつも必死でしたね(愛ゆえですね)笑!また何か書きましたら、読んで頂ければ嬉しいです^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 冷食さん» 冷食さーーん!コメントありがとうございます( ; ; )!!この連載を始めた時に憧れの冷食さんから感想を頂いた嬉しさ、今も忘れておりません!R20のスピンオフ…ふふふ、もっと精進してすごいの(?)が書けるようにがんばりますw今後ともよろしくお願いします!^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - かえるさん» かえるさん、コメントをありがとうございます!!ハラハラしていただけたなんて、、とっても嬉しいです!!次に何か書くとしても確実にjsygなので笑、早く投稿できるようにがんばりますね。今後ともよろしくお願いします! (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - くろろさん» くろろさーん、あたたかいお言葉をありがとうございます( ; ; )嬉しすぎます…!!伝えたいことの一つだったメンバーのyg愛も汲みとって頂いて、書いてよかった…と感無量です。くろろさんのお話こそキュンキュンなので、今後もひっそり待っております〜 (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セイル | 作成日時:2020年8月8日 17時