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やけに長く感じた一日も終わり、俺たちはそれぞれ帰り支度を始めていた。
慎「じゃー、みんな!おつかれさんでした!俺は帰るよー」
大「待てよ、慎太郎。途中まで一緒に行こうぜ。
皆、また明日な。ジェシー、高地がいつもより可愛いからって、お菓子あげすぎんなよ!」
慎「じゃあな!高地、気をつけろよ。変なもの拾って食うんじゃないぞー」
大「そりゃお前だろ笑」
大我と慎太郎はそれぞれ、これから夕食の予定があるらしい。「また明日な!」という言葉とともに、笑顔で控室を出て行った。
「ジェシー、俺も帰るよ。ドラマの台本読まなきゃいけないし」
そう声をかけてきたのは北斗だ。
北斗は俺の腕に抱かれている高地に近づくと、指で小さな頭をポンポン、と軽く撫でた。高地は大人しくされるままでいる。
「俺たちで元に戻る方法を見つけるから。心配しすぎんなよ、高地」
穏やかな声でそう語りかける北斗を、高地は上目遣いでじっと見返していた。
まるで何かを伝えるように。
北斗は小さく笑ってうなずくと、俺に軽く手を振って立ち去った。
三人が帰り、一瞬、控室に沈黙が訪れる。
すると、今まで離れたところにいた樹が近づいてきた。
そして、真顔で高地の顔をのぞき込むと、親指と人差し指で、そっとそのちっちゃな前足を取った。
まるで握手するように上下に少し揺らしながら、小さな声で高地に話しかける。
「あのさ、高地…また、明日な。待ってるから」
そんな樹の親指に、高地はもう片方の前足を重ねる。そして、キキュッ!と明るい声を立てた。
「なんだよ、それー」
そのどこかおどけたような仕草に、樹も思わず噴き出した。
樹が今日初めてみせた、心からの笑顔だ。
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sail(プロフ) - maru05032さん» maru05032さん、嬉しいご感想をありがとうございました!「すっごく面白かった」のお言葉が目に入った瞬間、書いてきてよかった〜と心から思いました( ; ; )やっぱりjsygには幸せでいてほしいですもんね!次回作、また何か書けるようにがんばります^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - ventさん» ventさん、コメントをありがとうございます!!嬉しいお言葉がいっぱいで、二ヶ月ちまちま投稿してきて本当によかった…と感じ入っております。この話のjsくんはいつも必死でしたね(愛ゆえですね)笑!また何か書きましたら、読んで頂ければ嬉しいです^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 冷食さん» 冷食さーーん!コメントありがとうございます( ; ; )!!この連載を始めた時に憧れの冷食さんから感想を頂いた嬉しさ、今も忘れておりません!R20のスピンオフ…ふふふ、もっと精進してすごいの(?)が書けるようにがんばりますw今後ともよろしくお願いします!^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - かえるさん» かえるさん、コメントをありがとうございます!!ハラハラしていただけたなんて、、とっても嬉しいです!!次に何か書くとしても確実にjsygなので笑、早く投稿できるようにがんばりますね。今後ともよろしくお願いします! (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - くろろさん» くろろさーん、あたたかいお言葉をありがとうございます( ; ; )嬉しすぎます…!!伝えたいことの一つだったメンバーのyg愛も汲みとって頂いて、書いてよかった…と感無量です。くろろさんのお話こそキュンキュンなので、今後もひっそり待っております〜 (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セイル | 作成日時:2020年8月8日 17時