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そんなやりとりの間、高地は俺の両手に乗ったまま、俺と皆の顔を交互に見上げながら黙って聞いていた。
その時。
いつの間にか会話に参加するのをやめて、ハリネズミの高地をじっと観察するように見ていた北斗が、唐突に口を開いた。
北「そうか、今日は高地、来ないのか。残念だなあ、待ってたのに」
さすがグループきっての演技派らしく、よく通る低い声が部屋に響く。
北「高地が来ないなら、さっき差し入れにもらったあのお菓子、アイツの分も皆で食べちゃおうぜ!めちゃくちゃ美味しかったよなぁ〜、あの、お菓子!」
何かを含んだような顔でハリネズミの高地をチラチラ見ながら、机の上にあるお菓子の箱を指差す。
その言葉に、高地がピクッと反応した。
次の瞬間、高地はいきなり俺の手から机の上に飛び降りたと思うと、北斗が指差した方向に勢いよく駆け出した。
トテトテトテ…とそのお菓子の箱まで素早く駆けていくと、その周囲をクルリと一周し、こちらに向き直る。
そして、まるで「このお菓子は俺のもの!」と必死にアピールするかように、ブワッと針を立てた。
この、(周りが引くほどの)お菓子への愛と情熱は、まさに…
樹・大・慎「「「……… 高地だ!!」」」
「だからそう言ってんじゃん!!!」
北斗だけは、「やっぱりな」と納得していた。
さすが、長年のシンメだ……
********************
ようやくメンバーにわかってもらえたけど、考えてみれば、最初から高地にスマホを使ってもらえばよかったんだよね!
あの後、ハリネズミの高地がスマホ入力で簡単な会話をしてみせると、皆、大いに興奮して、ひとしきり盛り上がっていた。
「これ、動画サイトに載せたら絶対バズるよな!!」
誰かがそう言ってるのが聞こえる。
さすが同グループのメンバー、考えることが俺と一緒だ。
あ、もちろん!俺の高地を見世物になんてしないよ!!
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sail(プロフ) - maru05032さん» maru05032さん、嬉しいご感想をありがとうございました!「すっごく面白かった」のお言葉が目に入った瞬間、書いてきてよかった〜と心から思いました( ; ; )やっぱりjsygには幸せでいてほしいですもんね!次回作、また何か書けるようにがんばります^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - ventさん» ventさん、コメントをありがとうございます!!嬉しいお言葉がいっぱいで、二ヶ月ちまちま投稿してきて本当によかった…と感じ入っております。この話のjsくんはいつも必死でしたね(愛ゆえですね)笑!また何か書きましたら、読んで頂ければ嬉しいです^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 冷食さん» 冷食さーーん!コメントありがとうございます( ; ; )!!この連載を始めた時に憧れの冷食さんから感想を頂いた嬉しさ、今も忘れておりません!R20のスピンオフ…ふふふ、もっと精進してすごいの(?)が書けるようにがんばりますw今後ともよろしくお願いします!^^ (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - かえるさん» かえるさん、コメントをありがとうございます!!ハラハラしていただけたなんて、、とっても嬉しいです!!次に何か書くとしても確実にjsygなので笑、早く投稿できるようにがんばりますね。今後ともよろしくお願いします! (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - くろろさん» くろろさーん、あたたかいお言葉をありがとうございます( ; ; )嬉しすぎます…!!伝えたいことの一つだったメンバーのyg愛も汲みとって頂いて、書いてよかった…と感無量です。くろろさんのお話こそキュンキュンなので、今後もひっそり待っております〜 (2020年10月6日 3時) (レス) id: 3970bd8ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セイル | 作成日時:2020年8月8日 17時