ポアロで会いましょう【安室透】 (ページ6)

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糸目の男性1 ページ6

…やっぱりおかしい。誰かつけてる。

振り向いてもいないんだけど、私が歩くと足音が同じように聞こえる。

私は電話をするフリをしてみた。
も、もしもし？お母さん…っ

足音はなくなるどころか、近づいてる。

後ろをチラっと見た瞬間、そこには包丁を振り翳した男がいた。
恐怖で声が出ない。もうだめだ、刺される。

そう思ったその時。

どさ…

横から誰かが、包丁を持った男の首の後ろを手刀打ちして、男は気を失って私の足元に倒れた。

『あ…ありがとう…ございます…』

そこには、背の高い糸目の男性がいた。

「大丈夫ですか？怪我は？」

男が倒れて意識を失ってるのを確認して、警察に電話をかけるのか携帯を取り出しながら聞いてくる糸目の男性。

『だ、大丈夫です…』

やばい、手が震えて…

「もうすぐ警察がきますから」

糸目の彼は私が怖がらないよう、絶えず色々話しかけてくれた。

そうしていると、警察が到着して気絶した男は連れて行かれた。

私たちは少しだけ事情聴取され、警察は帰って行った。