すれ違い1 ページ17
帰り道、いつもの道が涙で滲む。
「Aお姉さん！…泣いてるの？」
突然誰かに呼び止められた。
誰…こんな時に…
振り返ると、見慣れたメガネに蝶ネクタイ。
『コナン君…』
「どしたの？何かあった？」
スケボーを片手に心配してくれるコナン君。
どこか行く予定だったのかな。
『ううん、何でもないよ。ありがとう』
"泣いてない"そういうようにすぐに涙を拭った。
「そ、そっか…」
逃げるようにその場を去った。
そのあと帰宅したけれど、食欲もなく何もする気になれず、ずっと横になっていた。
蘭side
園子があまりに落ち込むからとりあえずうちに上がってもらった。
「蘭〜…」
蘭の膝の上でおいおい泣く園子。
「私、なんて事しちゃったんだろう。明日Aさんがもしポアロにきたら顔合わせらんない」
で、また泣く園子。
「大丈夫、わかってくれるよ。Aさんのために、って思ってした事なんでしょう？」
「そう…だけど…」
ガチャ
「ただいまー」
「あ、コナン君おかえりなさい」
「園子姉ちゃん、どしたの？」
首を傾げるコナン君。
「ううん、何でもないよ」
「ガキンチョには大人の恋愛なんてわかんないわよぅ」
そう言ってまた泣く園子。
「Aお姉さんも泣いてたし、何かあったのかと思っちゃったー」
みるみる園子の顔色が悪くなる。
コナン君に人差し指を立てて今はダメ、とアイコンタクトするも…
「…やっぱり私のせいよー」
間に合わなかった。またおいおい泣く園子。
コナン君は私を見て、何があったか教えて？と言ってきたから、軽く事情を説明した。
話を聞き終えたコナン君は、白い目をして言った。
「…それは園子姉ちゃんが悪いよ」
「うっさいわねガキンチョ！わかってんのよ！」
「まぁまぁ、明日謝ったらいいじゃない」
その私の一言でこの一件の話は終了した。
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作者名：つくね | 作成日時：2023年6月14日 20時
