気持ちを堅め直す話／グリル：�� ページ31
プププランドの端っこにある草原で体育座りをしていた。
なんとなく空を見上げてみると、見覚えのあるシルエットが近づいてきていた。
「ヘ〜イ！ やっぱりAだった！ 勝負しようよ！」
「げっ、グリル……」
私の反応にグリルは「「げっ」って何だよ」と頬を膨らませている。
会いたくない人No.1だったから仕方ない。
出そうになった溜め息を無理矢理呑み込んだ。
「今はちょっと勝負する気になれないの」
「なんで？」
「な、なんでも！」
理由を言うことに抵抗があり、意地を張って子供っぽく答えてしまったことに顔が熱くなって顔を伏せた。
するとあまり時間が経たない内に、隣からとさり、と草の音がした。
「……なんで隣に座ってるの」
「なんでも！」
コイツ……
体育座りのまま突っ伏していても、動く気配はない。
何か言わなきゃ帰らないだろうと思って口を開くと、自然と言葉が出てきた。
「グリルは、勝負で負けたら悔しいって思わないの？」
……ちょっと待っても返事がない。
少しだけ顔を上げてグリルの方を見てると、目をぱちくりとさせていた。
悔しいとか思ったことないような表情をしていて、それに私は苛立って組んでいる腕に自然と力が入る。
「……私は悔しい。頑張って頭使って連鎖組んだり配置考えたりしてるのに、その努力が報われないってのが悔しいの」
「勝利に固執しなくたって、十分楽しいだろ」
「でも負けるのは嫌だよ」
反射的に言い返せば、グリルもちょっと強い語感で返す。
「今のおまえ、本当に勝負が好きなのか？」
「なっ、そりゃあ好きに決まってるでしょ！ 好きだからこんなに悩んでるの！」
「違うだろ……だったら勝負してみるか？」
「やってやろうじゃないの！」
◆
そんな感じで勝負となった、のだが。
予想通りと言えば予想通りに私は負けた。
「もうやめようかな」と諦めの圧が余計に重くなった気がする。
「勝つことだけに夢中になってたら勝てなくなるんだよ」
「……でも、負けっ放しだと楽しむ余裕もなくなっちゃうの。純粋に楽しめなくなっちゃう」
話しているうちに視界が段々とぼやけてきてる。
目を擦った手のひらが濡れていて、そこで自分が泣いていたことに気づいた。
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
