また好きになっていく話／メタナイト卿 ページ39
メタさんに引っ越しの手伝いに来てもらっていた。
引っ越しと言っても部屋を替えるだけだし、その理由も「雨漏りするから」という単純なもの。
ソードとブレイドにも手伝ってもらった方が早く終わるんだろうけど、二人の上司のメタさんが「わたし一人で十分だろう」と城の見回りをさせていた。
普通の家だったら天井を直せばいいんだけど、城に住んでいるから修理が難しいらしい。
……なんで城なのに雨漏りしてるんだろう？
ま、ガバガバ設定はいつものことだからいっか。
「おや」
「どうしたの？」
「いや……懐かしい物を見つけた」
何かと思って近寄ると、アルバムを発見したらしく、中を開き写真を眺めていた。
メタさんの後ろから幼い頃の写真を覗き込み、こんなこともあったなぁと思っていると、メタさんが急にククッと笑った。
「この頃のAは素直だったな、と」
「何よ、今は素直じゃないって言いたいの？」
視線で問えばメタさんの瞳にからかいの色が浮かんでおり、それを見ているとこちらも自然と笑ってしまった。
片付けはしばらくやめて思い出に浸る時間にしようか、と思った矢先にある爆弾が投げ込まれた。
「よくわたしの嫁になると言っていたな」
「ぶっ」
勢いよく吹き出した。
いやこんなの誰でも吹き出すわ。
「そ、そんなこと言ってたっけ？」
「ああ。覚えていないのか？ 事あるごとに小さな足を必死に動かして着いてきて「メタさんのおよめさんになる」と宣言し、それに陛下が憤慨する一連の流れも記憶にあるのだが」
ちょっと何ですかその目は、まるで新しいおもちゃを見つけた幼子みたいにきらきら輝いてるじゃないですか。
私の記憶にはそんなの無いんですけど。
頬を熱くしながら狼狽えていると、メタさんの瞳にさらに輝きが増す。
「まだあるぞ。ソード達の剣の稽古を見ているわたしを旦那役にしてままごとを始めたり、雷の音が怖いのに「怖くない」と言い張ってマントに掴まったり、やたらと顔の周りにハートが多く描かれた似顔絵を渡してきたり……」
「わ、わー！ わー！！ 言わないで！ 何それ、そんなの知らない！ と、とにかく！ 昔のことはもういいから、新しい部屋に箱持ってって！ 私は箱詰めしてるから！」
箱を持たせて部屋の外へ押し出し、扉を閉めた後にずるずるともたれ掛かる。
目をぎゅっと瞑って顔を手で覆った。
あぁ、もう、しばらく顔の熱は取れないだろう。
※※とんでもないことを企てられていた話／グリル、マルク、マホロア→←確かに大切だった話／タランザ
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東方&カービィラブ - 初めまして。全て読ませていただきましたが、どのお話もとても素敵でした！更新頑張ってください！これからも応援させていただきます！ (2018年8月28日 17時) (
レス) id: 17342e30fb (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - おとうふさん» ありがとうございます！これからも思いついたままに書いていくので、どうかお付き合いください。 (2018年8月5日 22時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふ - コメント失礼します！この小説を一通り読みました。それぞれのキャラクターを原作通りに表現できていて読んでてとても面白かったです！これからの更新楽しみにしてます！！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: 656bcd2590 (このIDを非表示/違反報告)
豆打(プロフ) - さうざん(菜っ葉)さん» ありがとうございます！大分自分の解釈や妄想も入っていますが、そう感じていただけていると安心しました。 (2018年7月30日 21時) (レス) id: b19a68a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - いきなりのコメント失礼します。作者様のお話を全て読ませていただきました。どれも原作通りのキャラクターで、文章がとても細かく表現されていて、読みやすかったです。これからも更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 883b22f60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆打 | 作成日時：2018年7月9日 23時
