理想と異なりますが？３（黒） (ページ15)

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思ったより動いててビビる。
そっか、緊張してるのか。

「…蓮だいすき」
「急だね」
「うん。なんかすごく思った」
「…」
「いつも思ってるけど」
「今日はやけに素直だね」

恥ずかしいけど蓮の顔が見たくて
ちょっと顔を上げてみたらすぐ目が合った。

すると優しく微笑んで頭を撫でてくれる。
心地いいな。

「おれもすき」
「うん…ありがとう」

愛しい唇が降ってきた。
何回ときめくのかな。平均寿命まで心臓持つかな、私。

「おやすみ」
「…うん、おやすみ」

気づいたら頭の痛み消えてるし。
薬のおかげ？かもしれないけど、
蓮の優しさと愛おしさで私の心を
癒してくれたのは間違いない。
特効薬なのかも。
安心して眠りにつく。

ふと目が覚める。スマホを見たら5:46。
6:00のアラーム鳴る前なのによく起きれたな。

もう一回寝よ…と思ったけど
蓮がいない。

どこだー
私の愛しの蓮はどこだーー

眠い目を擦って寝室を出てみたらなんか
いい匂いがした。

リビングに着くとキッチンに蓮がいた。
朝からきゅんとしてしまった。

「…蓮？」
「あ、起きたの？」
「うん、目が覚めちゃった。おはよう」
「おはよ」

ノーセットの蓮、かわいい…
おはよ、も久しぶりに聞けて胸が落ち着かないよ。
緊張しながら蓮の隣に行く。
目玉焼き発見！

「ご飯作ってくれてるの？」
「うん、勝手にキッチン使っちゃってごめんね」
「ううん！いいよ全然」
「ありがとう」
「いや、こちらがありがとうだよ。蓮が作ってくれた朝ごはん楽しみ〜！元気出る」
「あはは、そう言ってくれて嬉しいよ」

ふふふと2人で見つめあって微笑む。
なにこれバカップルかな。

「ってか体調どう？頭まだ痛む？」
「ううん！もうすっかり良くなったよ」
「ホント？無理してない？」
「うん、大丈夫！蓮がそばにいてくれたから早く治ったのかも〜！」

冗談ぽくいいながら後ろから腰あたりに抱きついてみた。
蓮の背が高いから覆い被さることはできてないけど。

「っわ、びっくりした」
「あは、ごめん」
「…大丈夫だけど」
「うん、本当にありがとう」

少しだけ力込めてみたら
蓮が私の腕をぎゅっと握ってくれた。

「…今日一緒に会社休んじゃう？」
「え？！急に？！なぜに？！」
「あは、焦りすぎ」
「だって…」
「だってはこっちのセリフー。朝から可愛いこと言ったりしたりするのやめてくれます？」
「え？」

蓮がクルっとこっち向いた。