懐かしのグミ ページ41
渡辺くんがまた前と同じようにキョロキョロしてソファに座る。
外が思ってたより肌寒かったから、温かいお茶を出して隣に座る。
「ありがとう」
渡辺くんは一口飲んで、あったかい…と呟いた。
「さっきはジャケットありがとう。寒かったよね」
「大丈夫だよ。それより柿崎さんが風邪引く方が心配」
「…ありがとう」
なんだか甘い空気感になってる？
気まずくはないけど、何を話そう。
私もお茶を一口飲む。ああ、ホッとする。
あ、そういえば。
「渡辺くん、このグミ覚えてる？」
コンビニの袋からさっき買ったグミを取り出す。
「あ！それ！」
「まだ好き？」
「うん。たまーに食べてる」
「良かった。さっきコンビニ行ったんだけど、見かけてつい買っちゃった」
「…懐かしいね。あれって確か学校祭の準備期間だったよね？柿崎さんがクラスのみんなに差し入れしてくれたの」
「そうそう。あの時に初めて話したよね」
「俺あの時、コンビニ向かって良かった」
「…私も」
合わせたわけじゃないのに同時にお互いの方を見た。
目があってふふふと微笑む。
「俺らさその時からすごく仲良くなって、それから学校お互い来てたとき絶対話してたじゃん」
「うん、そうだったね」
「だけど、卒業式の日だけ話してないの」
「…そうだね」
卒業式の日のことが蘇る。
あの日に私は渡辺くんがアイドルだったと気づいた。
あの時私はもちろん渡辺くんと最後の日だし話したかったけど。
気付いた気持ちと事実を知って話しかけていいか分からなかった。
だから気持ちを封印させたんだった。
「今だから言えるけど俺ずっと柿崎さんを探してたよ」
「え、そうなの？」
「うん」
「…私も探してた」
「え！マジ？！」
「うん…」
「秘密基地とかもいろいろ回ったよ」
「私も」
またお互い笑みがこぼれる。
「梶間と教室で話してたのを見かけて、俺が出る幕はないのかもと思って、辞めようと思ったんだけど、でも話したくて」
「うん」
「教室に急いで戻ったらいなかった」
「…多分その時には探しに行ったのかも」
「ふはは！確かに！すれ違ってたね」
「…私は最後校門の前で見かけたよ」
「え！マジで？」
「うん。宮舘くんと一緒に沢山の女の子たちに囲まれてた」
「あー…あの時か」
「うん。その時に渡辺くんがアイドルだったと知った」
「え！そうなの？」
「うん…なんで気付かなかったんだって話だよね」
ごめんね、と謝ると渡辺くんは
少し考えるような表情になる。
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おでん(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただき嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年3月4日 7時) (
レス) id: 0eda0cdbe1 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - おでんはんはじめまして！このお話本当に大好きです！今までにないテイストで今後も更新楽しみにしてます(^^) (2021年3月2日 20時) (レス) id: 7b49f138be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おでん | 作成日時：2021年2月20日 21時
