10年越しの君は。２ (青)

会いたい ページ38

…宮舘くんにもバレた。
そろそろやばい。
でも多分、信用ある人の前だけだよね？
でも！意識しよう。

その後、集合写真を撮って、同窓会も一旦解散に。
2次会に行く人はまた駅前で集合することになった。
最後に梨乃に2次会誘われたけど、明日も仕事だからといって断り、また会おうね！って言って別れる。
また梶間くんも来て、
応援してる！またドラマやるなら絶対観るから！と言われた。
奥さんにもよろしく伝えておいて〜、と言ったら、
え！同級生だってこと言っちゃって良いの？と。
逆に言ってなかったんかい。と思ったけど、信用できる人だなあと思った。
いいよ、と伝えたらじゃあ証拠に写真撮ろうぜ、と言われて写真を撮る。
嫁絶対喜ぶ！ありがとな！また会おうぜ！と言って速攻帰ってった。

マスクをつけて1人でホテルを出る。
もう21時近く。
夜風が気持ちいいけど、少し肌寒い。
ボレロ着てるけど生地薄めなんだよね。

タクシーで帰ろうか、電車で帰ろうか迷う。
でも休日だし、電車は混むかな。
どっちにしろ駅近くまで行こう。コンビニにも寄りたいし。

駅までの道のりを歩く。
思い出すのは渡辺くんのこと。
今思えば関西弁に弱い？と言われて落ち込むなんて…。
でもあの冷たい目線には泣きそうになった。泣かないけど。
私は関西弁の人に弱いとか好きとかじゃなくて、
渡辺くんが好きなのに。
だから変な話、関西弁だけではなんとも思わないけど、
渡辺くんが関西弁使ってたら弱いと思う。

…なんという想像をしてるんだ。
欲が出てきてるよ、抑えないと。

でも渡辺くんに会いたい。
けど会いたいと気楽に言えない関係性がもどかしい。
…そう思ってきてる自分が嫌だ。
みんなに気持ちがバレるし、欲が出てきてるし、
決意がブレブレすぎて、自分にガッカリする。

しかし…ちょっと一人でこの夜道は怖いな。
前男性に追いかけられた事を思い出す。
またあったらどうしよう。
そう思ってたらスマホが音を立てた。
LINEだ。開くと渡辺くんからだった。
思わず立ち止まる。

『柿崎さん、今どこにいる？』
『もし良かったら今から会えない？』

涙が出そう。
会いたいと思ってたら好きな人から会えないか聞かれた。
嬉しい。こんな感情知らなかった。
胸が打つたび、気持ちが温かくなる。

近くを見渡すと、公園があった。
人気も少ないし、いいかも。
大丈夫だよ、と現在地も送ったら
すぐ行く、と返事が来た。

この胸の高鳴りはもう抑えられない気がした。

風の通る公園→←弱いってなに？

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