【ヒロアカ】孤影

ep.63 ページ21

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「元宮Aさん。


落ち着きましたか？


ここは安全です。リラックスしてください。」






取り調べ室のようなところに連れてこられて30分くらい経ったか。


私はまだ口を開いていない。


恐怖で何も喋れないと受け取ってもらえれば幸いだ。









「失礼します。」



ガチャっと扉が開いて、聞き覚えのある声が聞こえる。



「ぁいざわせんせ...」






あぁ、久しぶりだなぁ。



今どんな顔してるんですか？




除籍したとはいえ自分の教え子が敵(ヴィラン)に攫われて何もできなかった気持ちはどうですか？









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「お前...死柄木に懐柔されてないだろうな」








...は？



第一声が、それ？


私なんか心配しないって？


私がどんなに傷ついたかより、私が敵(ヴィラン)じゃないかの方が気がかり？







ま、そうか。



彼はヒーロー。真っ当な判断ですよね。






警察が相澤先生を止める声が聞こえる。



いいよ別に、大丈夫、気にしない。




全然、気にしないよ。









「...悪い。今言うことじゃなかったな。


泣くな。」







は？


泣いてないよ。




あなたの言葉なんかで傷つかない。





私には死柄木さんたちがいるから。


他なんてどうでもいいよ。









「私はッ、ヒーローになりたいんだ...!!」









頰に伝う液体を力一杯拭って、小さく叫んだ。





ありがとう相澤先生。




おかげで少しやりやすくなった。








お礼と言ってはなんですが、私が敵連合に戻った時、









あなたを最初に殺します。

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