寝る子は育つ ページ6
「オイ迦葉…どうにかしてくれ…」
銀に揺らされ目が覚める。まだ夜中。
「眠れないアル。」
目が開ききった神楽がこちらを見ていた。
『…神楽ァ。とりあえず…ヤクルコもう1本買っといて…ぐぅ…』
「寝るなァッ!お前の銀さんこのままだとノイローゼになっちゃうよ!」
「寝れないアル。銀ちゃん、迦葉、眠れないアル。」
…うるせェ。
『…ううん…腹いっぱい食うとか…めちゃくちゃ運動するとか…あるだろお前…』
「もう試したアル。眠れないアル。寝かせてほしいアル。」
『…はァ。ほら、おいで。』
布団を広げて神楽を呼ぶ。眠れない時はよく銀の体温を頼ったものだ。
「ちょっと迦葉?銀さんそこまでやれとは…」
「…誘われてる気がして余計眠れないアル。」
「なんか危ないこと言ってるよこの子!」
『静かになりゃなんでもいいよ…はやくこいって。』
神楽を引き寄せ、そのまま布団の中で抱きしめる。
『…冷てェ。冷やすから眠れねェんだぞ。』
「…銀ちゃん。ドキドキするアル。ラジオ…ラジオを流すアル。別のこと考えたいアル。」
「…ち、今回だけだぞてめェ。」
銀がラジオをつけて布団に戻る。何かの物語のようだが、こんな時間にラジオでやる話なんてホラーくらいでは…?
音量は小さめなので邪魔にはならないからいいか。
腕枕をして、とん、とん、と一定のリズムで神楽の腹を軽く叩く。だんだん静かになっていった。
ようやく神楽が眠ったあたりで、ラジオの語りがオチに入る。案の定ホラー展開だった。
叫んだ銀がラジオを破壊。
「いい話がなんで最終的に怪談になってんだよ…!眠れるわけねェだろ、こんないかれた話聞きながらァ!」
『銀…うるせェ…神楽はもう寝たぞ…』
「そ、そうか…ようやく寝やがったか…はた迷惑な野郎だ…じゃ、俺も寝よっかな…」
おやすみ、と言いながら再び布団に戻った。ボソボソと喋っているのが聞こえる。
…次は銀が眠れなくなったらしい。
『…銀、ほら。』
「何ィ!?迦葉くん、怖くて眠れないのォ!?しょうがねェなァ、銀さんが抱きしめててやるよォ!」
迷う素振りもなく神楽とは反対側へ入ってきた。
おれに抱きついてくるので、片腕で抱きしめ返した。
銀の手がおれの手を握る。…怖がりめ。
銀に頭を擦り寄せ、すぐにおれも眠った。
朝、狭い布団に3人で眠るおれ達を見た新八が布団に飛び込んできて無理やり起こされた。
何故か少し怒っていた。
今日はここに泊まるらしい。
大体みんな奥の手がある→←天は人の上に人をつくらず髷をつくりました
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時