拙者をスキーにつれてって ページ46
「とにかく、将軍と俺達がいなくなったことには他の隊士達も気付いてるはずだ。いずれ助けは来る。」
それまで生き残らなければ。ということで、2つに分かれることになった。
寒さを凌げる場所を作る人と、茂茂を探す人。
今日中に探さなければパンツ一丁の茂茂が危ない。
じゃんけんによって、近藤が探索班になった。
「あの、何か忘れてません?」
「忘れ物?何のことです?」
「さァ…」
『…あれ、今日鍵閉めたっけ?』
「まさか…あ、いや、僕が閉めました。大丈夫です!」
茂茂の為に着物でも、と言う近藤。腰にあるじゃんお前。
『…っくしゅん!』
雪が強さを増してきた。…寒い。
「…手ェ貸せ。」
『…?』
銀に手を差し出す。そのまま指を絡められ、銀のポケットの中へ。
「こうすりゃちょっとはましになんだろ。」
『あ、ありがとう…』
「…じゃあ迦葉さん、反対側の手は俺が…」
「オイ総悟、サボるな。」
渋々、と作業を進める。
かまくらを作っているらしい。
雪の中に入って寒さなんて凌げるわけがない、と総悟を笑う銀と神楽。
入ってみろ、と言われてかまくらに入るも、なかなか外に出てこなくなった。暖かかったんだな。
『流石新撰組。こういう時の知恵は一応頭に入ってんだ。』
「まァ迦葉さん以外には貸さねェけどな。もっといい寝床があるらしいから。」
「べ、別にいいけど。迦葉は俺と寝床探すんだよ。」
騒いでいると小太郎が近付いてきた。洞穴にビッグフットがどう、とか。巻き込まれたくないのでその場を後にする。少しして、小太郎の悲鳴が聞こえた気がした。
何やってんだあいつは。
「オイいよいよやべェぞ…」
6人で震えながら歩く。
どこかから、おれ達を呼ぶお妙の声が聞こえてきた。
良い場所を見つけたらしい。
「こんなところに洞窟があったなんて…」
寒さは大して変わらねェが、どうやら雪だるまになることだけは避けられそうだな…」
「ええ、ここでなら食事もなんとかなりそうだし。」
ほら見て、と差し出してきたのは見たことの無い生命体の山。チュパカブラス、らしい。
何か語り始めてしまったので、黙ってその場を後にした。
「どうすんですか!結局雪を凌ぐ場所も確保できないまま日が暮れちゃいましたよ!」
辺りは完全に真っ暗。視界も悪い。
小太郎も合流して、あてもなく歩く。
ドSコンビが早くも諦めモードに入ってしまった。
『…眠い。』
「ちょっと迦葉さん!?寝ちゃだめなやつですそれ!」
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時