子供の成長なんて… ページ44
高杉side
「迦葉が小さくなったって本当?」
「…どこで聞いてきたんだ。帰れ。」
神威と阿伏兎が入ってくる。さっさと帰しておくべきだったか。
「この小せェのが迦葉か?随分とまァ可愛らしくなっちまって…」
『血の、におい…晋助、片付けるやつ?』
「このすっとこどっこい。中身まで幼児化したとはいえ、しばらく共に行動したかつての相棒にそりゃねェだろ。」
「この頃から戦いを知ってるなんて、流石だね。」
片付ける。初めて会った境内でも、何度か外の奴らと喧嘩をした時も。松陽や銀時に聞いていた言葉。
今思えば、子供にしちゃ随分非情な面もあったもんだ。まさか俺にも聞いてくれるとは思わなくて少し嬉しくなる。
「こいつらは放っておけ。…オイ神威、それ以上こいつに近付くな。」
「どうして?小さいとはいえ迦葉は迦葉なんだから。もっと色んなことを知りたい。…とはいえ、下手に触れても怪我をさせてしまいそうで怖いな。俺は見てるだけにするよ。」
迦葉が俺に抱きつく。
『…晋助に怪我、させたら、ころす。』
この頃は随分俺を大事に思ってくれていたらしい。子供とは思えないセリフだが、思わず笑ってしまった。
「大丈夫だよ。俺達は仲間になったんだから。」
恐る恐る、と迦葉の頬に指を伸ばす神威。少し触れて、すぐに離した。
その指を迦葉が捕まえる。
『…あは、約束、ね。』
頬を緩めて、神威の手を自分の頭に持っていった。そのまま擦り寄る。
「…晋助、俺の弟やっと見つけた。」
「妹だけじゃなかったか。」
腹が満たされ眠たくなったのか、俺の腕の中で目を擦る。
「眠いのか。」
『うん…』
「眠たげな戴天、可愛すぎるッス…!」
「また子、静かにしろ。…寝てろ。ちゃんとそばにいてやるから。」
『…晋助、ありがと。また子、あとで、ね。』
微笑んで、俺の肩に顔を埋めた。静かな寝息が聞こえる。
また子は静かに泣きながらその場に沈んだ。
主人公side
『…あ?おれなんで晋助と寝てんの?』
「ようやくお目覚めか。…少し名残惜しいが、やっぱ今のお前も良いな。」
『な、なんの話…』
船を歩くとまた子に出会った。また文句言われんのかと思ってたら、なぜか微笑んでおれを撫でて去っていく。
『…え、何、きめェ…』
他の奴らもおれを見てにこにこ笑う。…はやく地球に帰りたい。
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時