ここのタイトルもメールのタイトルみたいなトコも考えるのメンド臭え ページ42
帰ってくるなり定春に飛び乗って携帯が欲しいとぐずる神楽。
生憎万事屋の財布の紐は固い。
言い合う銀と神楽。そんな時、定春がいつものようにうんこをした。
「あの…なんか出てきたんですけど…サダえもんの四次元ポケットから…携帯が…」
出てきた携帯4つを持って平賀の元へ。元々壊れていたらしく、持ち主はわからなかった。
通話は無理だがメール機能までなら、と修理されたそれを1つずつ受け取る。
「これでヨシ!」
よろず屋、と書かれたお揃いのストラップ。これでいつでも一緒、と嬉しそうに遊びに出かけていった。
あれから時間を問わず何度も何度も神楽からメールが届くようになった。内容は本当にどうでもいいもの。
「直接喋れやァ!」
3人でスナックお登勢の机に携帯を投げつける。
女はメール好き、だの返してほしくて、だのとこいつらは神楽の味方らしい。
『あー…やってらんねェ。メールのせいでまともに眠れてねェんだおれ…後は任せた…』
「ちょっと!逃げるんじゃないよ!」
騒ぐあいつらを無視して2階に戻った。
うとうとしているとまた携帯が鳴る。
〔久しぶり。さぶちゃんだお。ノブたすとはたまに会ってるみたいだね。さぶちゃんともお喋りしてほしいお。〕
『…きめェ。』
〔信女へ。お前の上司が寂しがっています。会話をしてやってください。〕
『…よし、ブロック、と。つーかどっからアドレス見つけてきたんだこいつ…』
その後銀の一斉送信メールが届いた。…下手くそ。
電源を切って昼寝をした。
起きて携帯を開くと、大量のメールが届いていた。送り主不明のメールも混ざっている。
この携帯を返してほしいらしいので、銀達と合流して神楽とその男の元へ向かう。
「その携帯は私にとってかけがえのないものなんです。どうかお返し願えないでしょうか。」
別にいいか、と3人で携帯を差し出す。携帯が鳴った。
〔イヤアル。私まだちゃんとメールもらってないもん。〕
「神楽ちゃん!」
何にも伝わってない、と拗ねて、走り去ってしまった。
男の妻の三回忌。
最後のメールを送る。
携帯を差し出そうとしてくるが、そんなものではおれ達のひねくれた感情は届けきれない。
不意に携帯が鳴った。最後のメールは天国へ届いたらしい。
その場を後にする。隠れていた神楽がおれ達を見て飛びついてきた。
「何ニヤついてんだ。」
「ほんとですよ。」
「別にィ。」
『変な奴…』
並んで歩く。腰でお揃いのストラップが揺れた。
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時