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銭湯では身も心も丸裸 ページ35

それぞれ後ろに立つ。
適当に満足させて帰らせるしかない。

「地球の方々はなんて親切なんだ。背中まで流してくれるなんて…」
「本当にありがとうございます。お礼は必ずします。」
『気にすんな。…な、お前ら。じゃあ屁怒絽、お前の背中はおれが流してやるから座れよ。』

土方と銀がなにか騒いでいるが、背中の皮剥がされるよりましだろ。



適当に屁怒絽の背中を洗っていると、銀がローションをぶちまけているのが見えた。
この種族はこれが弱点らしい。熱い熱いと騒ぐ彼らに水をかけようとして、ローションで滑った銀の手によってガラスにのめり込んだ。

怯えるあまりに4人とも大暴れを始めてしまった。

『…悪ィ屁怒絽。』
「何がですか?しかし侍というのは風呂に入るだけでもこんなに過酷だったんですね…」

笑って誤魔化して、頭の花に水やっといた。



良い友達を持ったな、となぜか満足して帰っていく屁怒絽一家。

「僕達、勘違いしていたのかもしれませんね。」

ようやく湯に浸かれる。湯船に向かった時、ローションで足を滑らせた。
立ち上がろうとするもなぜか絡みついてきて上手く動けない。

『うわ、ぬるぬるする…立てねェ、ちょっと誰か助けて…』

「ちょっと…迦葉くん、それはだめです…僕の何かが立ちそうです…」
「…迦葉さん、ちょいと俺に抱きついてくれやせんかね…」

「何言ってんですかあんたら!銀さんが変なものぶちまけるから迦葉さんカメラに映せなくなっちゃってるじゃないですか!」
「待ってろ、すぐ助けてやるから…」

土方がおれに手を伸ばす。が、ぬるぬるして掴めない。

『なんだよこれェ…げェ、口に入った…』

不味い。思わず舌を出す。

「だ、だめです迦葉さん!今そんな顔したら…!」
『あ…?銀、どうし…』

無言で迫ってくる。助ける気になったんだろうか、と見つめる。
そのまま顔を近付けてきた。…あれ、喰われ…

『んぶ!』
「がっ!」

顔面にシャワーの湯がかかる。

「…させませんぜ旦那。」
「てめェ…」

結局ローションは洗い流され、ようやく湯に浸かることができた。



『悪ィ神楽。湯冷めしてねェ?』
「大丈夫アル!…銀ちゃん、どうしたアルか?」

「ちっ、せっかく迦葉とキスするチャンスだったのに…ベロなんか出しやがって…煽ってんのか…?」

小さく何か呟いている。聞き取れたらしい神楽の顔が歪む。

『銀、帰ろうぜ。』
「ほっとくヨロシ。」

神楽に手を引かれ、帰路に着いた。

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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時

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