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お控えなすって! ページ27

視界が揺れる。おれは薬で理性を飛ばされていたらしい。
墓地にいたはずが、気付けばこんなところで敵に囲まれていた。
銀、次郎長と共に敵兵を斬る。
腐っても辰羅、次々に体に傷が増えていく。

銀を護らなければ。
ふらつく足に力を込めて木刀を振るう。



からん、と音がして、2人がその場に倒れた。
華佗が笑う。

「とどめを刺せェ!」

残っていた敵が向かってくる。

『おれの、もんに!手ェ出すなァッ!』

体を上手く動かせない。薬も抜けきっていない上に血を流しすぎた。
それでも。

落ちていた剣を投げ、敵の頭に突き立てた。
敵は全て沈黙した。

後は華佗だけ。向かおうとして、足元の血で躓く。
倒れそうになるおれを銀と次郎長が支えた。

「…やるじゃねェか、小僧。」
『高級の菓子、用意しとけよ…』
「まずは俺からのご褒美のちゅー、だな。」
『何言ってんの…』

「や、やりおった…たった3人で…わしの精鋭を…こんな下等な猿共に!そんな…」

覚えておけ、とどこかへ去っていく。…春雨の人間だったのか。それにしてはなんだか…

追いかける力もなく、その場に倒れ込んだ。
座り込む銀に抱き寄せられる。

「…無事で、よかった。」
『…銀、おれ、ちょっと、疲れた…』
「寝てろ。俺がお前を連れて帰ってやるから。」

血だらけの顔で微笑む。
銀も頑張ったんだ。ご褒美、か。

銀の後頭部に手を伸ばし、顔を近付ける。
触れるだけの口付けをした。

「なに、やって…」
『…あは、ごほう…び…』

抗えず、そのまま目を閉じる。



目が覚めると隣に平子がいた。
ここは病院。体中に包帯が巻かれている。

「…ごめんなさい兄貴。私が…」
『気にすんなよ。子分の面倒は最後まで見てやんのが兄貴ってもんだろ。…華佗のことだ、簡単に手ェ引くとは思えねェ。行くぞ。』
「兄貴…そんな体で…」

傍の木刀を握りしめ、立ち上がる。
四天王は全員病院にいるらしい。狙うならきっと動けない今。

『ケリはてめェでつけろ。』
「…はい!」



「待ってましたよ!華佗様ァ!」

案の定華佗は現れた。少数の辰羅を引き連れて。
平子と共に斬り伏せる。

「お、お主ら…!」
『悪ィけど邪魔すんな。』
「ようやく親父のあんな顔見られるようになったのに。」

「ぬかせ!一番の邪魔者は貴様だとまだわからんか!」
「わかってますよ!邪魔者は消えます。ただし、邪魔者を道連れに…!」
『…消えるのはてめェ1人で十分じゃねェかな。』

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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時

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