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お控えなすって! ページ23

銀と夜の町を歩く。

『食いすぎたな…眠い。』
「帰ったらすぐ風呂入って寝ろ!大食らいは神楽だけで十分なんだよ…」

不意にすれ違う女。その手は刀に触れている。

『…銀。』
「俺がやる。」

抜刀音。こちらにむかってくる刃は、銀の木刀によって折れた。

「うっふふ。残念。その真っ白な頭に真っ赤なお花を飾ってあげようと思ったのに。噂通りだね。歌舞伎町最強の男たち。…坂田銀時さん、逆叉迦葉さん。」

投げつけられた笠を斬り裂いた。

「てめェ何もん…だ…」

地面に手を付き、おれ達に頭を垂れる女。
態度が一変して、子分に加えてくれと笑いかけてきた。…変な女だ。



「この度、万事屋一家末弟に加わりました!椿平子ですゥ!お登勢の大親分も、なにとぞよろしくお願い申し上げますゥ!」

お登勢と神楽と新八に変な挨拶をする平子。触角を銀に捕まれ追い出されそうになっていた。

「…あんた、極道もんかい。」

お登勢はこいつを知っているらしい。…極道の鉄砲玉、人斬り平子。
危ない女確定じゃねェか、と思ったが、どうも悪意をあまり感じない。
もっと何か純粋な…

かつて所属していた組は次郎長一家に潰されたために行くところがないらしい。



「オウオウオウ、兄貴達のお通りだぜィ!」
「こっち見てんじゃねェヨシャバ僧共がァ!」

オレンジ頭の餓鬼2人が並んでしまった。完全に輩のような風貌で威嚇しながらおれ達の前を歩く。

女の子らしく、という銀の言葉で、平子の名前はだいぶ卑猥になった。…ほら新八が騒ぐだろうが。

ケーキ屋を堪能し、乾物屋へ。ほぼ神楽の行きたいところに連れ回されているだけ。
神楽と平子がはしゃいでいると、平子の肩に通りかかった男がぶつかった。

わざとらしく痛がり、平子に迫るチンピラ達。

『…兄貴、おれちょっとシノギ行ってきやす!』
「オイ迦葉!逃げんなてめェ!」
「置いていかないでください迦葉さんん!」

相手してらんねェ。騒ぐそいつらを置いて万事屋へ戻った。



『どっか行くのか。』

ちょうど店をでてきたお登勢と出会った。これから開くであろう時間に閉めるとは。

「面倒な会に呼び出されてね。…あんたも来るかい?面白いことなんてないけどね。」
『ふーん…いいぜ。おれのも茶、出る?』

町内会か。確か次郎長もいたはず。
あの変な女との関係性が少しでも見つかればいいが。

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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時

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