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閑話。 ページ21

『お登勢、腹減っ…猫、だ…!』

猫探しをしてから銀が帰ってこなくなった。新八も神楽も外に出ているし、お登勢に何か飯でも作ってもらおうと戸を開くと3匹の猫と1頭のゴリラ。この店はいつの間にか猫カフェにでもなったのか。

いや、そんなことはいまどうでもいい。

「迦葉、丁度いいところに来たね。あんた猫好きだったろう。遊んでいきな。」
『お登勢…!いいの!ありがとう!あ?近藤…?あ、いやゴリラか。』

近付くと黒猫が擦り寄ってきた。

『な、何お前、かわいいなァ…』

しゃがみこんで頭を撫でる。ゴロゴロと聞こえてきた。
それを見ていた白猫が、黒猫に威嚇して飛びかかる。そのままおれの膝に乗ってきた。

『あは、かわいい。見てお登勢、懐いてくれた。』
「なんだい、あんた動物に好かれる特技でもあったのかい?よかったじゃないか。」

頬が緩む。顎の下を撫でてやると、目を細めてゴロゴロと鳴らした。
…天国か?

『なァ、うちの子にならねェ…?あ、でも定春が嫌がるかな…』

犬と猫は一緒に飼えるもんなんだろうか。
じっと白猫を見つめる。

『…お前銀に似てんな。そのせいかしらねェけど、なんか安心する。…抱きしめてもいい?』

白猫は小さく鳴いて、おれに擦り寄ってきた。
ありがたく抱きしめさせてもらう。…落ち着く。

『…どっかでさァ、銀髪の天パ見かけなかった?何も言わずどっかいきやがって…普段おれに文句言う癖に、てめェはどうなんだよってな。』
「あの馬鹿まだ帰ってないのかい?いいかい迦葉、そういう時はあんたも黙って遊郭にでも行ってきな。あいつもちょっと焦るだろう。」
『焦る…?というかそもそも興味ねェって…ああ、でも月詠達に会いに行くのもいいかもな。暇だし。』

腕の中の白猫がなぜか急にもぞもぞとし始める。苦しかったか、と思って手を緩めると、何度もおれに体を擦り付け始めた。

「あんた随分気に入られたらしいね。そりゃマーキングだよ。人間が自分のものに名前書くのと同じさね。」
『…げ、銀と定春が怒る…!悪ィ白猫、おれはお前のものにはなれねェんだ。』

抱き上げて飯の前に戻す。
不意に大きい猫が立ち上がり、ついていくように去っていった。



『あ?帰ってたのか。おかえり。…何。』

次の日、散歩から帰ると銀がいた。
無言のまま、おれを強く抱きしめて頭を擦り寄せてくる。
…どこか白猫と同じにおいがした。

料理は根性→←死亡フラグに気をつけろ



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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時

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