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子供の成長なんて一瞬 ページ3

「旦那より俺の方がイケメンですぜ。お菓子あげるからこっちに…」
「総悟!お前仮にも警察だろうが!」

面倒な輩と出会ってしまった。特に沖田くん。

「いいか迦葉。ああいうマヨラーとかドSとか、絶対近付くんじゃねェぞ、危ないから。」
『わかった。』
「てめェは何教えてんだ!」

「あのなァ。こっちは迦葉がすぐ可愛いことしちゃうからはやく戻したくて必死なんだよ。お前らに構ってる暇はねェの。」
「迦葉さん、ほら、俺にも可愛いことしてくだせェ。」
「させるわけねェだろッ!」

迦葉を隠すように抱きしめる。

「旦那ァ、独り占めは良くねェや。誘拐でしょっぴきますぜ。」
『…銀、あれ、刀もってる。片付ける?』

いつもの調子で俺に尋ねてきた。…懐かしい。

「いや、あれは大丈夫だ。あーあ、沖田くん嫌われちゃったねェ。」
「…どういう餓鬼だよ…」

嫌われた、と聞いた瞬間沖田くんがいじけはじめた。

「オイ総悟…はァ、これから近藤さんを回収しなきゃいけねェってのに。」
「おー、行ってこい行ってこい。そして二度と俺達の前に戻ってくるな。」

そのままずるずると引き摺られ、2人の姿は見えなくなった。



あれから何人もと出会ったが、誰も心当たりは無い、と言う。
仕方がないので一度家に戻ってきた。

「銀さんと迦葉が帰ったぞ。」
「2人とも!ちょうど良かった、今桂さんが店に来てて…」
「ヅラが…?」

居間に入るとソファに座って茶を飲むヅラがいた。隣にはエリザベス。

『…小太郎、だ。』

抱っこしていた迦葉がヅラに反応する。ヅラはといえば、小さくなったこいつを見ても驚いた様子もなく…まさか。

「やはりか。昨日迦葉に渡した飴だが、どうやら幼児退行する代物だったらしくてな。心配になって様子を見に来たんだが…遅かったようだな。」
「てめェかァ!」



迦葉を膝に乗せてソファに座る。横では神楽と新八が迦葉に話しかけていた。お菓子で餌付けしているのが見える。

「で。こいつはいつ戻るんだ?」
「…それより銀時、なんだそれは。羨ましいぞ、俺の膝に寄越せ。」
「迦葉はヅラより俺が好きなんだよ。な、迦葉…」

『小太郎、おにぎり…』

俺から離れてヅラに近寄る。
この野郎…と思ったが、どこからか出てきた握り飯を受け取って俺の隣で食べ始めた。
抱き寄せて、ヅラに見せつける。

「俺の握り飯が好きでなによりだ。」

…無敵の男だった。

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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時

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