死亡フラグに気をつけろ ページ18
総悟が1人の餓鬼を縛り上げて連れてきた。霧江と名乗るそいつに父の仇だと突然刺されたらしい。
何故か持ち込んできたケーキを1人で食べている。それを見て涎を垂らす神楽。
「厄介なもん持ち込んでくるんじゃねェよ。こんな小娘、てめーらで処理すればいいだろ?めんどくせェ。」
「こんな雑魚にいちいち構ってたらキリがねェや。うちはお宅と違って暇じゃねェんです。」
「ただの殺人集団が何を偉そうに。」
話を聞けば、攘夷浪士と新撰組の乱闘に巻き込まれて総悟に斬られたとのこと。
だが総悟は心当たりがない、と。
「戦場では一瞬の迷いさえ命取りになる。目の前の人間を一瞬でもはやく肉塊にした者が生き残る。そんな場所で、紛れ込んだパンピーと敵を判別するなんざ至難の業でさァ。」
斬ったのが誰であれ、そんな場所にいたそいつが悪い、と言われて激昂する霧江。
確かに戦場じゃ殺した相手の顔など覚える理由もないが、総悟の様子を見るに何かを隠そうとしている気もする。
おれと目を合わせようともしない。
そもそも、攘夷浪士と新撰組が斬り合うところに無関係な一般人がなぜ、隠れもせず巻き込まれるほど近くに。
金とケーキと霧江を置いて、店を出ていった。
そのケーキを神楽が両手で貪る。
「迦葉にも1つやるネ。食べるヨロシ。」
『え、総悟が置いてったもんだろ?別に要らな…むぐ、』
問答無用で口に突っ込まれてしまった。…変な味がする。
「銀さん、迦葉さん、神楽ちゃん…どうしたもんでしょうこれ…」
「…女だてらに仇討ちなんざ、泣かせる話アル。わかったネ、一緒にやってやるアルヨ!」
「え…なに…」
「あの野郎を一緒にぶっ殺すっつってんだヨォ!」
真っ赤な顔で喉を押え、水!水!と騒ぎ始めた。
…これ、タバスコの味だ。あんな食ってたもんな。
『…銀、口ん中変…』
「馬鹿野郎、総一郎くんからの食い物は危ねェって言ったろ?ほら口開けろ、銀さんが口直ししてやるから…」
「ちょっとそこォ!いちゃいちゃしてないで神楽ちゃんを止めてください!ああ霧江さんも落ち着いて!」
してねェよ。
総悟が殺した、という点に違和感を覚えたおれ達は、二手にわかれて調査することにした。
六角事件。2年前、六角屋で起こった創界党と新撰組による掃討事件。新撰組は5人のみにも関わらず、敵は全滅。…ほぼ総悟1人の手によって。
餓鬼に遊ばれる小太郎から話を聞きながら、疑問に思う。
霧江はどうやって総悟が殺したと知ったのだろうか。
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月28日 22時