【銀魂】怨結び【男主】4 (ページ13)

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夜の蜘蛛は縁起が悪いページ13

地雷亜がその場に倒れた。戦いは終わった。

「…銀時。迦葉。」

ゆっくりと月詠が近付いてきた。

「…けェるぞ。お前の居場所に。…迦葉？」

…だめだ。目を、開けて、いられな…
薄れゆく景色の中、苦無を手に立ち上がる地雷亜の姿が見えた。

目を開ける。2度目の天井。
銀は、月詠は、地雷亜は。神楽たちも無事だろうか。
立ち上がる。ふらついて、前に倒れそうになったおれを受け止める腕。

「まだ寝てろって。無茶しすぎなんだよ、お前は。」
『銀…』

あの後の話を聞いた。地雷亜は月詠の手で息絶えた。
彼の目的は月詠ではなく自分を殺すことだった。
仇への憎悪と、妹に対する自責の念。
妹に似た月詠に惹かれ、今回の騒動が起きた。

燃えた町は少しずつ復興を始めている。
月詠もなんとか復帰し、仕事に戻ったそうだ。

『ところで銀、その頭どうした？』
「…激アツだったんだ。」

「あのォ…ただ酒飲ませてくれるってマジなの？」

夜の吉原を歩く。遊女たちがおれと銀に纏わりついてきた。
…もやもやする。

『…あんま銀に触んないで。』

銀を引っこ抜き少し先を歩く。
遊女達はきょとん、とした後すぐに笑顔になった。

「まぁまぁまぁ！迦葉様、銀様のことが好きでいらっしゃるのね！妬いてらっしゃるわ！愛らしい！」
「…あら、じゃあ今回はお連れしないほうがよろしいのかしら？でも日輪様の頼みだし…」

…好き？

『何言ってんの。好きとかじゃねェし。いいよもう。知らね、おれ帰る。』
「お待ちになって！お酒、お好きなんでしょう？好きなだけお飲みになってよろしいんですのよ。」
『ほらはやく案内しろ。』
「ふふ。」

半数以上の遊女達が楽しそうにおれを引っ張っていく。酒で全部忘れてやる。

「銀様？」
「…ずりィだろあんなん…やきもちじゃねェか…」
「もしかして銀様も迦葉様のこと…きゃ！いっぱい聞かせていただきたいわ！迦葉様、素敵ですものね。…私も狙ってみようかしら。」
「やらねェよ！…誰にもな。」

「い、いらっしゃいませ…死神太夫、月詠でありんす。どうぞ、よしな…」

案内された先で飾った月詠と目が合った。…なんで遊女1人に男2人が案内されんだよ。

「チェンジ！チェンジお願いします！迦葉くんでお願いします！」
『あ？』
「…オイ、これはどういうことじゃ。なんでぬしらがこんなところにおる。」

どうやらお互いはめられたらしい。月詠のリフレッシュに駆り出されてしまった。