天然パーマに悪い奴はいない ページ10
『ねーちゃん、追わなくていいのかよ。』
「…知らないっすよ。自分で決めて出ていったんだから。どうしてあんなに不器用なのかな。僕はもっと器用に生き延びてやる…」
「そうかい。でもよォ、俺にはとてもお前が器用になんか見えねェけどな。」
泣きそうな顔をしていた。親のいない新八にとってお妙は唯一の肉親なんだろう。銀と離れ、しばらく何も考えられなかった頃の自分と少し重なる。
素直になればいいのに。まだ手は届くんだから。
黙り込んだおれを心配そうに見つめる銀。なんもねぇよ、と笑って立ち上がる。
『行こうぜ、ねーちゃん迎えに。まだ船出てねェだろ。』
「…え?」
「侍が動くのに理屈なんて要らねェさ。そこに護りてェもんがあるなら剣を抜きゃあいい。…ねーちゃんは、好きか?」
泣きながら頷いた。
『…やっぱ3人乗りキツくねェ?』
銀の後ろに乗る新八の後ろになんとか後ろ向きで乗りこむおれ。
「こういう時チビは1人に数えないんだよ。2人乗りだからセーフだろ。」
「ちょっと!僕の後ろからなんかすごいオーラ出てんですけど!…ってやばい!もう船が出ます!もっとスピード出ないんですか!?」
「いやァ、安全第一だから…」
こないだ違反切られてたろ、とお妙の乗る船を探していると、後ろからパトカーが追いかけてきた。
『銀!なんか親切な奴がいい車持ってきてくれた!あれ空飛んでる!ちょっと借りてくるわ!』
「ちょ、迦葉さん!?あれパトカーですから!僕らいまノーヘルに3人乗りで怒られてるだけですから!」
『どうせスクーターじゃ間に合わねェだろ!』
スクーターからパトカーへ飛び乗る。フロントガラス越しに目が合う。にやり、と笑うと、危ないよ!という言葉を無視して中の警察を引き摺り降ろした。
「お妙でございます。可愛がってくださいまし。」
「だから違うっちゅーとるやろォ!そこでもっと谷間を強調じゃボケェ!フグッ!」
「谷間なんていままで生きてきて1回もできたことないわよ?」
「…まァエエわ!次は実技!パンツ脱いでいよいよしゃぶしゃぶ天国じゃ!…今更怖気付いたところで遅いっちゅうねん!これも道場を護る為や我慢しいや!…なんやァ!?」
破壊音。お妙の目の前に1台のパトカーが突っ込んできた。
「役人が嗅ぎつけて来おったか!?」
「安心しなァ!こいつァただのレンタカーだ!」
『ども!万事屋でーす!』
「姉上!まだパンツ履いてますか!?」
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時