男にはカエルに触れて一人前みたいな訳のわからないルールがある ページ43
夜も更けてきた頃。
総悟と共に、蛙頭を磔にして燃やす。
『完璧だろ。』
ちょうど良かった。おれはこいつに見覚えがある。春雨の船の上で。あいつらを危険な目に合わせやがって、と私怨も兼ねてこの作戦を提案した。
「妙案でしたぜ迦葉さん。これで…」
「何してんのォお前ら!」
…邪魔が入った。
「要は護ればいいんでしょう。これで敵を誘き出す。攻めの護りでさァ。思いついたのは迦葉さんですぜ。」
『攻撃は最大の防御って言うだろうが。』
近藤が好きだからここにいる、と蛙頭の口に薪を突っ込む総悟。土方も乗っかってきた。どうやら新撰組は固い絆で結ばれているらしい。なんだか場違いな気がして、少し離れた。
「天誅!どけ、幕府の犬ども!」
なだれ込む攘夷浪士ども。支給された真剣を抜刀する。
「へへ、迦葉さんと一緒に戦えるなんて。」
『足引っ張んじゃねェぞ。依頼料分しか働かねェからなおれァ。』
返事を待たずに駆け出す。斬撃を全て弾き、的確に急所を斬る。…ああ、遅い。つまらない。総悟や土方を取り囲む攘夷浪士どもも、纏めて一気に斬り捨てた。
「こ、こいつ…強ェ…!」
「迦葉さん!まだ来やすぜ!」
増援。後ろから近藤の声が聞こえる。
「あいつらに遅れを取るなァ!馬鹿蛙を護れェ!」
隊士たちが加勢にきた。
『祭り好きかよ、新撰組は。』
「俺たちァ派手な喧嘩が大好きなんだ。…お前にはこの程度じゃまだ派手さが足りねェようだが。」
『は、そうかよ。ま、もう少し付き合ってやるかァ。』
刀に付いた血を振り払う。どこか怯えた様子のそいつらに、笑って刀を振り下ろした。
遅くなってしまった。あれから屯所で風呂を借り、体に付いた血を洗い流した。飯も、と誘われたが、これ以上長居すると銀が怒るのが目に浮かぶ。いやもう怒っているかもしれない。
断って帰路に着く。また新撰組で会いやしょう、なんて総悟の言葉は聞こえなかったことにして。
まだ明かりが付いているのが見える。まだ起きてんのか?
ただいま、と引き戸を開くと、銀が抱き着いてきた。
「…遅ェ。」
『悪ィ、新撰組に絡まれちまって。』
…なかなか離してくれない。
『…悪かったって。』
銀の頭を撫で、背中を摩る。
「…またどっか行っちまったかと思った。」
銀の腕に力がこもるのを感じる。
『どこ行くんだよ。おれの帰る場所はここなのに。』
…ひとまず銀の気が済むまで、このままいてやるか。
親子ってのは嫌なとこばかり似るもんだ→←男にはカエルに触れて一人前みたいな訳のわからないルールがある
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時