閑話。 銀時side ページ39
危なかった。危なかったよ銀さん!
頭からシャワーを浴びる。先程の光景を思い出していた。
こちらを見る迦葉。夕日に照らされて、輝く2色の瞳はあの時俺だけを映していた。俺の後頭部を動かしづらいであろう腕で撫でながら、微笑むそいつ。
綺麗、だった。見惚れてしまっていた。
思わず顔を近付ける。近付くほど、迦葉の瞳に俺が大きく映る。
…初めて出会ったあの時は、何も映さなかったその瞳に。
今はしっかりと俺を見ている。いちご牛乳を飲んだ時よりも、チョコレートパフェを食べた時よりも、比べ物にならないくらいの喜びを感じた。
俺はどうやら心底こいつに惚れていたらしい。
気付けばあと数cmのところで神楽の寝言に冷静になる。
…あの唇に、銀、銀、と愛おしく俺を呼ぶそれに、食らいついてしまうところだった。
据え膳食わぬは男の恥、と言うけれど、食えない据え膳がこんなにも苦しいとは。
はやく打ち明けてしまいたい、という気持ちと、関係が変わることへの恐怖と、いろんなものが混ざって未だにぐずぐずし続けている。お登勢にヘタレと言われても何も言い返せない。
風呂を出て居間に戻ると、俺を待っていたのか、ソファに座る形で眠る迦葉が見えた。…布団で寝てて良かったのに。
しかしこれは嬉しい。
毛布を手に隣に座って、迦葉の頭を自身の肩に乗せる。静かに聞こえてくる寝息。お互いに毛布をかけ、隣で眠るそいつの頭を枕に俺も目を閉じた。
明け方に目を覚める。体が重い。ソファで眠る人間が、いつの間にか4人に増えていた。
毛布の下でそっと迦葉の手を握る。あまり大きくは無い毛布をどうにか広げて2人にもかけ、もう一度眠りについた。
昼過ぎ、新八の叫び声で目を覚ますまで。
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時