コスプレするなら心まで飾れ ページ38
「ダメっすね…ホント、ふらふらして歩けない…」
「陽浴びすぎてクラクラするヨ…おんぶ。」
座り込む2人。
「何甘えてんだ腐れ餓鬼ども。誰がいちばん疲れてっかわかってんのか!二日酔いの上に体中ボロボロでも頑張ったんだよォ銀さん!」
無理やり動かしたせいか、右腕が腫れているのが見えた。しばらく物は握れそうにないが、両利きなので特に問題は無い。
『二日酔いは自分のせいだろ。』
「…付き合ってらんねェ。迦葉、帰るぞ。」
銀に腕を引かれて歩く。
が、すぐに立ち止まる銀。
『素直じゃねェなァ。』
「迦葉にだけは言われたくないんですけどォ!…いい加減にしろよコラァッ!上等だァ!おんぶでもなんでもしてやらァ!」
は、おれはいつだって素直ですけど。
大喜びで走ってくる2人。
「元気爆発じゃねェかお前ら…」
『…はは、かわいいじゃん。ほら、神楽、おれがおんぶしてやろうか。』
「いいアルか!?やったぁ!銀ちゃんより迦葉のほうがいい匂いするネ!」
おれの背に飛び乗る神楽。
「はァ!?テメェ何迦葉におんぶされてんだ!銀さんだって迦葉に甘やかしてほしいのに!」
餓鬼相手に何言ってんだこいつは。でもまァ、たまには。
『帰ったらな。』
左腕は神楽を支えているので、動きづらい右腕をどうにか動かして銀の後頭部を撫でる。…頭には届かなかった。
「…ッたくよォ…」
よっぽど疲れていたのか、背中の2人はいつの間にか眠っていた。
『…おれも背負うからさァ、一緒に。』
2人でなら、もう落とすこともねェだろ。
笑って銀の目を見つめる。赤い瞳が、夕日に照らされて綺麗に輝いている。
「…」
目を合わせたまま、黙り込んでしまった。
『…銀?』
何故か銀の顔がゆっくり近付いてくる。
『どうした…?』
ぶつかるまであと数cm、といったところで神楽の寝言が聞こえた。
ハッとした様子の銀の顔が離れる。
「…離れんなよ。」
帰り道は知っている。迷子になるような年齢でもないのに、優しくおれの手を握るそれを、振り払えずに歩いた。
「(ちょっと神楽ちゃん!いまいい空気だったのに!)」
「(なにヨ!銀ちゃんみたいなヘタレ男に迦葉はまだはやいネ!)」
「(神楽ちゃん、どの立場の人…?)」
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sakamata(プロフ) - ぴびびさん» 令和のこの時代に銀魂再燃してしまってメソメソ筆を取った次第なんですけどまだ仲間がいて嬉しいですありがとうございます!! (4月10日 8時) (レス) id: 17e0808b09 (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - ふおぉぉぉぁぉお泣銀魂男主過疎っていってるので書いていただけて本当に嬉しいです泣神様です泣更新応援させていただきます!!!!! (4月10日 1時) (レス) @page4 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:逆叉 | 作成日時:2024年3月6日 20時