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キ「ほら、俺普段は東京にいるんだ。正月だから北海道に戻って来てて。
だから、明日帰るんだ。
Aちゃんといる時間が楽しすぎて、このまま今日が終わらなければいいのにって思ってた。」
キヨくんは私の冷たい両手を握った。
「私もです。
私もキヨくんとずっと一緒に居たい。
だから、春が来たら、きっと。」
私も彼の手を握り返した。
周りはしんと静まり返っていて、ひらひらと落ちてくる雪だけが私達を包んでいた。
キヨくんの手は私の手を離れて、頬を触った。
壊れ物を扱うかのように指先で感触を確かめたあと、
手の全体を使って頬を包み込んだ。
親指が私の唇をなぞった。
キ「いい？」
すぐにそれはキスのことだとわかった。
「…うん」
緊張して目線をキヨくんから離す。
キ「ちゃんと俺を見て」
頬から手を離して今度は顎に触れた。
くいっと持ち上げられて、強制的にキヨくんと目が合う。
お互いの目に吸い込まれるかのように、キヨくん顔が近づき、そして
触れるだけのキスをした
キ「A、愛してる」
「私も…！愛してる！」
もう一度、キスをした
キヨくんと出会ったのはほんの1日前のことだけれど、数年、数十年一緒にいたような、そんな感覚がする。
今までこんなふうになることはなかった。
なんでだろう。
なんでキヨくんはこんなに愛しいんだろう。
多分、運命の人だから…。
………………
春。
私は大学を卒業した。
両親は私に北海道にいてほしそうにしていたが、なんとか押し切ってここまで来た。
キャリーケースを引きずりながらコンクリートの坂を登る。
ちらちらと降る桜の花びらは、まるであの日の雪のよう。
彼とはこの3ヶ月、遠距離だったけれど、連絡はこまめに取り合っていたし、彼が浮気をするとも思えなかった。
フジさんとも連絡先を交換していたから、たまにキヨくんの近況を聞けたし、
キヨくんの動画を見るようになったから、今日元気そうだな、とか、体調悪そうだな、とか色々知ることができた。
「よっこいしょっと…お家、あれで合ってる？」
クリーム色のおしゃれな一軒家。一人暮らしには少し大きそうだけれど、今日からは二人暮らし。
インターホンを鳴らそうとしていたその時だった。
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ ｶﾞﾁｬﾝ！！
キ「A！！」
「キヨくん！」
彼は私に向かって手を広げた
キ「A、おかえり」
「キヨくん、ただいま！」
彼の腕の中は、とても暖かかった
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雑食の林檎(プロフ) - *〜ゆら〜*さん» コメントありがとうございます!!ゆらさんのお陰で頑張れます!!これからもよろしくお願いします (2020年8月30日 2時) (
レス) id: 0a1352cbdd (このIDを非表示/違反報告)
*〜ゆら〜* - 面白いより自分がその気になります。頑張ってください…!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑食の林檎 | 作成日時：2020年8月16日 13時
