多分、運命 ページ2
「ちょっとお手洗い行ってきていい?」
「あ〜大丈夫だよ〜」
私は一刻も早くその場から逃げ出したくて、トイレに駆け込んだ
「そんなに我慢してたのか〜。Aに悪いことしちゃったな」
…………
気持ちを落ち着かせて、鏡の前で顔の赤さが取れるまで待った。
やっと収まったと思ってトイレから出ると、そこにはさっきの赤髪さんがいた。
「ぁ、すみません、トイレ入りたかったですよね」
そう言って私は自分の席に戻ろうとした。
「待って。」
ふいに、腕を掴まれる感覚がした。
「…え?」
「あ、いや……俺、清川拓哉って言います。あなたは…?」
「私は、AAです…」
「あの、初対面で、しかもすれ違っただけの男にこんな事言われるのはおかしなことだと思うんだけど、
一目惚れしました。
俺と付き合ってくれませんか。」
「えっ」
掴まれている腕から、熱がでて、全身に行き渡るような、電流が流れてしびれているような、そんな感覚がした。
「わ、私で良ければ…?」
本来わたしは見ず知らずの男性に名前を教えたり、腕を掴まれてそのままにしたり、付き合ってと言われてOKをするような軽い女ではない。
ではない筈なのに、なぜかそう言ってしまったんだ。
年齢も、職業も、どこに住んでいるのかも、なにも知らない彼だけど、
きっと出会ったときのあの衝撃は嘘ではないか
ら。
たくさんの恋をしてきた。その中でも1番奇抜で、情熱的で、強く引き合う。
まるで前世から探し求めていたかのように。
彼は言った。「一目惚れしました」と。
でも違う気がする。
多分、運命。
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雑食の林檎(プロフ) - *〜ゆら〜*さん» コメントありがとうございます!!ゆらさんのお陰で頑張れます!!これからもよろしくお願いします (2020年8月30日 2時) (レス) id: 0a1352cbdd (このIDを非表示/違反報告)
*〜ゆら〜* - 面白いより自分がその気になります。頑張ってください…!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雑食の林檎 | 作成日時:2020年8月16日 13時