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『…あっつ…。』
夏。室内だろうが日陰だろうが、暑いところは暑い。
理科準備室に呼ばれた私は、ここに、閉じ込められてしまった。
閉じ込められてから鳴る、三度目のチャイム。
二時限目が終わった頃だろうか。
ちゃちなビデオカメラが設置されているのを見て、計画された犯行だと確信する。
はぁ。暑い。
理科準備室は小さな窓が高いところに一つあるだけ。
その小さな窓さえも、私の身長では開けることができないのだ。
キベは、このことを考えていなかったのだろう。彼女に人を殺すほどの悪意はない。
汗が滴り、床に倒れこむ。
息が上がって苦しい。
すぐそばにある化学で使う物質で吸熱反応を起こしたいが、手を伸ばす力がない。
フラッシュバックしたのは、墜落した飛行機で、父さんと母さんが、私を息も絶え絶えに抱いて守ってくれた過去の映像。
意識が朦朧としてきて、私はどこにいるのかもわからなくなって。
まるで、記憶に吸い込まれるような感覚。
あぁ、あの時も私、こんな感じだったな、と笑った。
あの時よりも体は痛くないが、苦しい、息が浅くなる。
やばい、死ぬ。
死ぬのは、やだなぁ。
かあさと父さんの娘なのに。
グルッペンが認めてくれた私なのに、情け無いや。
意識を失う寸前、聞こえたドアノブを回す音と、人の驚いたような声に、私はまたも笑った。
その人がいるのは、もう別世界のように感じて。
side キベ
二時限目が終わった。
この学校で私に逆らわない唯一の教師、軍曹先生が、授業中に鳴った私の携帯を没収したからAの様子が見れなくて、少し残念だわ。
けど、戻ってこないってことはまだあそこにいるってこと。
昼にでも冷やかしに行こう、泣き喚いて助けを求める声が聞けるかもしれない。
うきうきしてきた気分を、さらにあげたのは一つの伝言。
「明日奈、グルッペン君が話があるって。今すぐ保健室に来いって言ってたよー。」
ki「！、ありがとぉ！」
ようやく、ようやくこの時が来た。
Aに勝利する時が！
保健室に向かうとそこには生徒会のみんなもいた。
みんな俯いていて顔が見えない。
みんな私の大切さにようやく気付いたの？
ずっと追いかけていた蜂蜜色の髪を揺らして近づいてくる男。
彼が目の前にきて私の目に彼の表情が映った瞬間、私は悲鳴をあげた。
彼は今まで見たことがないくらい、怒っていた。
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あんです - ウン 一回読んだけど、もう一回読みたくなる。 (2021年7月28日 15時) (
レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - あ、あと100000hit達成しました！皆さん本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: c9d67ce0c2 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - おっけ？続編行けるようになってますかね。 (2018年9月17日 17時) (レス) id: c9d67ce0c2 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 姫鶴さん» コメントありがとうございます！作者のミスで続編が表示されなくなってました…この作品を見ている人にオススメの欄でもっと見るを押していただくと続編出てきます…。うーん、なんとかします。よろしければご覧ください！ (2018年9月17日 6時) (レス) id: c9d67ce0c2 (このIDを非表示/違反報告)
姫鶴(プロフ) - キベがコテンパンにされるシーンが気になるぅ！更新頑張ってください! (2018年9月17日 2時) (レス) id: 2e70da2045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑食 | 作成日時：2018年8月3日 13時
