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side エーミール
資料室で待っていると、数分後にAさんは来た。
『すみませんお待たせして。話ってなんでしょう? 』
急いできた後がある彼女は、やはり空気を読める人なのだろう。
em「えっと、Aさんはどうして劇を選んだのですか?… すみません、呼び出してまでする話じゃありませんでしたね…。」
『全然大丈夫ですよ、暇だったので。劇を選んだ理由ですか…。』
少し考えるそぶりを見せる彼女。やはり、明日奈さんに合わせただけなのだろうか。
間を置いて、彼女は話し出した。
内容は、予想とは違った。
『んー、じつは母が女優をやっていて。それで小さい頃から演技が好きで。やるのも好きだけど、上手い下手関係なく人の演技を見るのが好きなんですよ。』
em「え…神崎、もしかして神崎ハルさんの…⁉」
『知ってます？』
em「知らないわけないですよ！」
神崎ハルは、俺が子供の頃からドラマや映画、舞台で活躍する有名な女優だった。
しかし…それならばAさんの母親は… ハルさんは…。
『それが劇を選んだ理由かな?今でも大好きだもん。』
彼女の母親と父親は、事故で亡くなっている。
返す言葉がなく、口をパクパクさせていると、Aさんはくすりと笑った。
『やっぱりあのことも知ってるか。私は今2人の残してくれた財産で生きているんですよね。』
em「…すみません、こんな質問をしてしまって。…私も彼女のファンで演劇に興味を持ったんです。」
『同じだね。』
彼女は、にっこりと笑う。その顔はどこかで見たことがある気がした。
ずっと前の…奥底にある記憶。
引っ掻き回してもなかなか見つけられないそれは、とても大切なものだったと思うのに。
『覚えてない？
…エーミール君、エミ君って呼んでもいーい？』
em「っ⁉、あ…A ちゃ…。」
彼女の言葉で思い出した。
私たちは10何年も前に一度だけ、会っている。
『思い出した?私もさっき思い出したんだけどさ、やっぱりエミ君だよね? 母さんの舞台、見に来てくれてた。』
はにかむ彼女は、母親に似たあの時と変わらぬ温かい雰囲気で、思わず涙が出てしまった。
どうして気づかなかったのだろうか。
Aちゃんだと。
俺の初恋の人だと。
＊＊＊
ちょっとスマホの調子が悪いので、急に更新途絶えるかもしれません。
そのときは許して…そのうち復活するので。
あ、いつそのときが来るかはわかりません。
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あんです - ウン 一回読んだけど、もう一回読みたくなる。 (2021年7月28日 15時) (
レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - あ、あと100000hit達成しました！皆さん本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: c9d67ce0c2 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - おっけ？続編行けるようになってますかね。 (2018年9月17日 17時) (レス) id: c9d67ce0c2 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 姫鶴さん» コメントありがとうございます！作者のミスで続編が表示されなくなってました…この作品を見ている人にオススメの欄でもっと見るを押していただくと続編出てきます…。うーん、なんとかします。よろしければご覧ください！ (2018年9月17日 6時) (レス) id: c9d67ce0c2 (このIDを非表示/違反報告)
姫鶴(プロフ) - キベがコテンパンにされるシーンが気になるぅ！更新頑張ってください! (2018年9月17日 2時) (レス) id: 2e70da2045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑食 | 作成日時：2018年8月3日 13時
