【派生作品】Sehnsucht【ロールプレイングゲーム】 (ページ4)

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Light ページ4

午前5:00。彼は突然カッと目を開ける。

その瞬間、枕元に置いてある目覚まし時計が大きく音を立てた。
彼はそれを止め、服を着替える。制服ではなく、ランニング用のTシャツ。

「……」

家族が起きないようにそっと家を出て、走る。

朝は好きだ。空気も何もかも新鮮に思えて、とても気持ちがいいから。

黒い髪を風になびかせ、彼は走る。
十字路を右に曲がり、それから二番目の角で左に。するとそこには木々に囲まれた階段。

「あらハルくんおはよう」

今にも登ろうとしてた彼に、年配の女性が、ハル、こと天音遥灯に声をかける。

遥灯は軽く頭を下げ、柔らかく笑った。

「おはようございます」

「今日も朝から走っているの？偉いわねぇ。うちの子にも見習わせたいわ」

おしゃべり好きの女性は、ペチャクチャと遥灯に向かって世間話を始める。
遥灯は半分上の空で時々相槌を返していた。

「……それじゃあね、ハルくん」

「はい。さようなら」

会話終了。
遥灯は階段を二段飛ばしに駆け上がる。

そこにあるのはただの古ぼけた寺。
今も昔も遥灯のお気に入りゾーンだ。

彼は古いベンチに座り、休憩。

ここに来るとゾクゾクして、なんだかとても幸せな気分になれる。

少しして彼は立ち上がる。そして自分の家に走って行くことだろう。

ーーーーガサッーーーー

彼のいなくなった境内で、なにやら不穏な音が鳴った。