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「それより
話術で勝負するのは、手札を揃えてからだ。ヒソカの舞台にそう易々と乗ってはいけない。
「具現化系じゃないのに、キミの気配がもう一つある♢これは何か、説明してくれないかな?」
「ずいぶんと感度の高いアンテナね」
「おしゃべりは命取りだよ♧」
刃物のような殺気を滲ませたヒソカに、心の中で
「私の能力の一部だ。攻撃能力は無い、これ以上は言わない」
「そ♢解除してくれる?」
「手を外してくれるならね」
逃げたりしないさ、と言外に目配せすれば徐にヒソカは私の手首を解放した。同時に
「ウン、気配が消えた♡」
紳士がエスコートするように、ヒソカは私の腰に手を回した。
「さぁ、行こうか♧」
歩き出した私たちに制止を求めたのはフィンクスだ。
「待てヒソカ。そいつは鎖野郎の仲間だろうが」
「クロロの除念が出来なくなってもイイっていうのかい?」
首だけフィンクスを振り返って言うヒソカ。
「そうは言ってねえ。その女が信用できねぇって言ってるのがわからねぇのか?」
普通の人間なら逃げ出したくなるような怖気が支配する。
「フィンクスと言ったね。確かにクラピカは私の友人だが、彼の復讐の片棒を担ぐ資格は私にはない。クロロも幻影旅団も、私にとっては一塊の賞金首集団だ。クロロを害する理由は無い」
「ああ?」
「まだ分からないか。私の友人が最も嫌うものは『無関係な人間を殺すこと』だ。私もそれが嫌いだ。それに、彼の復讐を代わりに遂げて、彼も私も何を得る?」
「……団長みたいな口を聞いてんじゃねえ」
顔を歪めたフィンクスはそう言い捨てて、後ろを向いてしまった。
「講釈は終了だね♤A、今度こそ行くよ♡」
ヒソカに頷きを返して、私は一つの街へと誘われた。
森を抜けると、青々しい香りの代わりに粉塵が顔を掠めた。それに眉を潜めて、降ろしていたフードをかぶる。
「旅団の人たちはいいの?」
それまでの沈黙を破って私は前を向いたまま言った。
「構わないさ♧除念師のカレが準備できるまではボクも手持ち無沙汰だから、キミと再会できた運命を楽しもうと思ってね♡」
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Ash(プロフ) - かなめさん» かなめさん、こんにちは。更新遅くなってすみません。ヒソカ推しの同志がいてくれて嬉しいです。 (2020年3月19日 11時) (レス) id: 15c859a546 (このIDを非表示/違反報告)
かなめ(プロフ) - 更新お疲れ様です!ヒソカ推しなのでかっこいい姿が沢山あって嬉しいです (2020年3月16日 12時) (レス) id: 70bd3babc7 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - スーパーヒソカタイムめっちゃ笑いました!!更新がんばって下さい! (2018年3月10日 21時) (レス) id: 2984f0eef0 (このIDを非表示/違反報告)
鉄子(プロフ) - キングダムっぽい技ですねwトーンタンタンは技の掛け声として最高です!w楽しく読まさせていただいています!がんばってください! (2017年11月24日 22時) (レス) id: a0856aab8c (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 待ってますね!頑張ってください! (2017年11月22日 18時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
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