検索窓
今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:251,190 hit

141 ページ41

「それより 分身(ダブル)の能力って何よ。私は具現化系じゃない」

話術で勝負するのは、手札を揃えてからだ。ヒソカの舞台にそう易々と乗ってはいけない。

「具現化系じゃないのに、キミの気配がもう一つある♢これは何か、説明してくれないかな?」

(エン)も使っていないのに 無口な看護師(フローレンス)に気づくなんて。

「ずいぶんと感度の高いアンテナね」

「おしゃべりは命取りだよ♧」

刃物のような殺気を滲ませたヒソカに、心の中で 両手(もろて)をあげて観念した。

「私の能力の一部だ。攻撃能力は無い、これ以上は言わない」

「そ♢解除してくれる?」

「手を外してくれるならね」

逃げたりしないさ、と言外に目配せすれば徐にヒソカは私の手首を解放した。同時に 無口な看護師(フローレンス)を解除する。

「ウン、気配が消えた♡」

紳士がエスコートするように、ヒソカは私の腰に手を回した。

「さぁ、行こうか♧」

歩き出した私たちに制止を求めたのはフィンクスだ。

「待てヒソカ。そいつは鎖野郎の仲間だろうが」

「クロロの除念が出来なくなってもイイっていうのかい?」

首だけフィンクスを振り返って言うヒソカ。

「そうは言ってねえ。その女が信用できねぇって言ってるのがわからねぇのか?」

普通の人間なら逃げ出したくなるような怖気が支配する。

「フィンクスと言ったね。確かにクラピカは私の友人だが、彼の復讐の片棒を担ぐ資格は私にはない。クロロも幻影旅団も、私にとっては一塊の賞金首集団だ。クロロを害する理由は無い」

「ああ?」

「まだ分からないか。私の友人が最も嫌うものは『無関係な人間を殺すこと』だ。私もそれが嫌いだ。それに、彼の復讐を代わりに遂げて、彼も私も何を得る?」

「……団長みたいな口を聞いてんじゃねえ」

顔を歪めたフィンクスはそう言い捨てて、後ろを向いてしまった。

「講釈は終了だね♤A、今度こそ行くよ♡」

ヒソカに頷きを返して、私は一つの街へと誘われた。

森を抜けると、青々しい香りの代わりに粉塵が顔を掠めた。それに眉を潜めて、降ろしていたフードをかぶる。

「旅団の人たちはいいの?」

それまでの沈黙を破って私は前を向いたまま言った。

「構わないさ♧除念師のカレが準備できるまではボクも手持ち無沙汰だから、キミと再会できた運命を楽しもうと思ってね♡」

142→←140



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (211 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
365人がお気に入り
設定タグ:HUNTER×HUNTER , ヒソカ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Ash(プロフ) - かなめさん» かなめさん、こんにちは。更新遅くなってすみません。ヒソカ推しの同志がいてくれて嬉しいです。 (2020年3月19日 11時) (レス) id: 15c859a546 (このIDを非表示/違反報告)
かなめ(プロフ) - 更新お疲れ様です!ヒソカ推しなのでかっこいい姿が沢山あって嬉しいです (2020年3月16日 12時) (レス) id: 70bd3babc7 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - スーパーヒソカタイムめっちゃ笑いました!!更新がんばって下さい! (2018年3月10日 21時) (レス) id: 2984f0eef0 (このIDを非表示/違反報告)
鉄子(プロフ) - キングダムっぽい技ですねwトーンタンタンは技の掛け声として最高です!w楽しく読まさせていただいています!がんばってください! (2017年11月24日 22時) (レス) id: a0856aab8c (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 待ってますね!頑張ってください! (2017年11月22日 18時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Ash | 作者ホームページ:vhttp://  
作成日時:2017年10月28日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。