153 ページ3
私から携帯を奪ったまま、クロロは別れを告げてどこかへ去った。除念の礼にタイマン勝負を約束していたヒソカは、残念そうに笑っていた。
「焦らしプレイ、ねぇ♢」
「いいから口を噤んで頂戴」
ぎっと音がしそうなほど睨みつけると、ヒソカは反省していない様子で降参の両手を上げた。
「コワイコワイ♤」
「微塵も思ってないよね？」
「奇術師に真実を求めちゃイケナイさ♡ところで、クロロに何されたの？」
「…何？何って何だ」
表情を変えないヒソカからねっとりと絡みつくオーラが視えた。細められた目は、鋭利な肉食獣の牙のように獲物に噛みつく時を狙っている。
「トボけてもダメダメ♧まさか、能力を盗まれてないよね？」
「そこまでヤワじゃない、これ以上は侮辱と受け取るぞ」
半歩踏み出して、戦闘態勢を構える。ゆらぐオーラが可視化できるほど凝集し始めた。
ーだめよ、落ち着いて。
私の中の
「そういうつもりじゃないさ♢ボクが聞きたいのはクロロと何してたの？ってトコ…キミはボクのオモチャだろぉ？」
じり、とヒソカも足を踏み出した。
「ずいぶんな言いがかりだね、ヒソカ。あなた、何に怯えているの？」
「…ボクのお気に入りの果実に、手を出していいのはボクだけだ」
頭で考えるより早く、足が力一杯ジャンプして手近な木の上に飛び上がった。さっきまで居た場所に、無数のトランプカードが突き刺さっている。
その一部が地面に立っているトランプカードにも繋がっている。
罠か。この森から抜けるべきだ。一刻も早く。
そう結論づけるが早いか、私は意図に触れないよう細心の注意を払って走り出した。同時に、2人のフローレンスを喚び出して、別方向へ分散させた。
クロロの除念を行う前、旅団メンバーが私を襲撃してきたときにヒソカは「キミと同じ気配がする」と言っていた。少しは撹乱になるだろう。
しかし、なかなかこの森は深い。壊した教会の方へ戻ることも考えたが、森から抜けた瞬間に強襲されるのは明らかだ。
なんとかヒソカを撒きたい。
ゴムの糸だけは視認するため
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 713人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
「キミ」という存在に再び触れるまで HUNTER×HUNTER Killua
ゾルディックの兄妹5
ただの趣味の為だよ、興味有るの？【HUNTER×HUNTER】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零連 - ほんとに面白くて四リピ目です‼️！更新待ってます！！！よかったらまたお話し書いてください！ (3月11日 21時) (
レス) id: 910b9bde0e (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (2023年4月30日 9時) (レス) id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
まっちー(プロフ) - 面白くて一気に全部読んじゃいました！更新待ってます！！ (2022年2月17日 17時) (レス) @page4 id: b24cb3b8cd (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 面白かったです！これからも頑張ってください！ (2021年3月13日 4時) (レス) id: 80f519255c (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - いつも楽しく読んでます！Ashさん天才すぎて！！これからもがんばってください･*･:≡( ε:) (2020年7月9日 14時) (レス) id: 33577d4864 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
