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こういう、都会の軟派な雰囲気は、田舎育ちの自分にはむず痒いだけだ。そっけなく立とうとして、袖をつかまれた。
失礼な奴！カチンときて、文句の一つでも言ってやろうと振り返ると、もう片方の手で前髪を後ろへ撫でつけて、おでこを晒していた。
まぎれもなく彼は
「ヒ、ヒソカ！？」
「ヤダなあ、気づいてよ♧」
しまった、名前呼んじゃった、とか別のことを心配する私をよそに、彼はニコニコと底の読めない笑みを浮かべて、楽しそうに笑っている。
「で、ボクが美男子だって？」
嬉しいなぁ、なんて言うものだから、思わず頬が熱くなった。
「…なんで、いつもと違う格好なの」
「何言ってるの、キミとデートするんだよ？」
デート、という単語に違和感を覚えつつ、無益とわかっていながら口は止まらない。
「じゃあ、いつものスタイルは何なのさ？」
「アレは、仕事用♡で、もう一回言ってよ♧」
「いつものカッコは何」
「違う違う、ボクがカッコいいってトコ♧」
「知らない」
つい投げやりな口調になったが、無邪気に喜んでいる彼を見ていると、普段のような冷酷な様子は全くない。とんだマイペースピエロに目を付けられたことを思うと、胃がまた、痛み出す。
「ね、もう一回♡」
「嫌だよ。ねえ、本当にヒソカなの」
「そうだよ？カッコよくてビックリしちゃったかい♤」
揶揄われているのは百も承知なのだが、恥ずかしくなってふいと目を逸らした。素直に口をついて出たのは、意外にも、肯定の言葉だった。
普通に街をまわって、ご飯を食べて、何もなく穏やかな一日だった。日が傾いた頃、噴水の前で別れて、私はホテルに戻った。
鍵を厳重にかけて、靴を脱ぐ。
彼といるだけで、神経を何年分も削られた気分で、今はそれから解放されたことを思うと、ようやく深呼吸できた。
結局、その日から三日間は何もなかった。
五日目に、山道を走り抜けて、地下を通り、空を飛んで結局着いたのは、どこにでもありそうな定食屋だった。
「信じられないってカオだね♤」
「大抵のことでは驚かないように、訓練してきたハズなんだけど…」
らっしゃーい、と威勢のいい掛け声の迎えられて、ヒソカは注文した。
「ステーキ定食、二人前♧」
その時、店の主人の目が鋭く光った。
「焼き加減は？」
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†NANA†(プロフ) - ページ31で、」が1つ多い所があります。 (2018年5月26日 6時) (
レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 不知火さん» I'm really glad to see your heartful message!! 核心をついたコメント、とても嬉しいです。ニヤついて頂けて本望ですので、電車だろうがどこだろうが、笑ってください。ヒソカの気持ち悪さを愛する作者の気持ち悪さ(？)が少しでも伝わったなら、幸い。 (2018年4月7日 15時) (レス) id: a6c8ba769b (このIDを非表示/違反報告)
不知火 - ヒソカいい性格してますよねwニヤニヤしながら見てますw (2018年4月7日 7時) (レス) id: 01371eb627 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます！笑って頂けて、とても嬉しいです。ヒソカのズキューンは、もはや彼のアイデンティティだと思っています。 (2018年3月16日 14時) (レス) id: ff4e3584c3 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 土方紅葉さん» いつもありがとうございます。ニヤニヤして頂けているだけで、私、昇天します。ヒソカたまらないです。 (2018年3月16日 14時) (レス) id: ff4e3584c3 (このIDを非表示/違反報告)
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