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二人分の声がマイクを通して全員に響き、合図ぴったりにスパーは引き金を引いた。火薬が炸裂し、その炎で真っ暗な海は一瞬、赤く照らされた。
「続いて次弾装填！！各部損傷をチェック、報告せよ！！」
クラピカから操縦桿を引き受けると、その重さは手にずっしりとしていた。冷たく光る金属は、船の呼吸を伝えるように温かい。
ハンゾーがクラピカに、損傷ないことを報告する声が聞こえた。
一方、船べりではレオリオを抱えたゴンが水面に浮かび上がってきた。トンパの懐中電灯が、二人の命を救ったのだ。
真っ暗だったはずのブリッジに、電灯がともった。
「ボウヤ、これで貸しはチャラだぜ」
一日目にゴンに助けられたゲレタが、明かりをつけたらしかった。明るくなったブリッジで、レオリオがまず引き上げられた。
「ゴン、お前も早く上がってこい！」
「うん！」
ゴンが笑顔で返事したとき、船が大きく揺れた。
「なんだ！？」
「岩礁に乗り上げたんだろ。ここ、岩場だしよ」
波しぶきをかぶって、全員がびしょぬれだった。その中の一人が、気づいた。
「おい、ゴンはどこへ行った？」
答えるものはなく、荒れた海がうねるばかりであった。
岩礁に乗り上げたことで、船はバランスを失っていた。操縦室では、クラピカが衝撃で投げ出され、気絶して床に横たわっていた。
伝声管からハンゾーが、船のバランスが危ういことを報告してくるが、クラピカを失った今、Aにハンゾーに応えるほどの余裕はない。
全体重をかけて操縦桿を引っ張り、転覆しないようにするので精いっぱいだ。クラピカはピクリとも動かない。打ち所が悪くないよう、祈るしかない。
後方には、地獄への扉を携えた竜巻が迫ってきている。
「竜巻を撃とう！！スパーを呼び出せ！！！」
ハンゾーの声が、微かにそういった気がした。竜巻の方向を視界の片隅に確認すると、間近に見てこそその脅威のすさまじさがわかる。
砲門を百八十度回転し、四門が同時に火を噴いた。ちょうどその時に、また岩礁にぶつかったのか、今度こそAも、クラピカとは反対方向に投げ出された。
ガン、と鈍い衝撃が走り、思わず目を強く閉じた。木霊のように衝撃音が鳴り響き、頭痛を助長していく。立たねば、立って操縦桿を握らなければ！！
手を床につき、立ち上がろうとしても足に力が入らない。変なとこ、打ったのかもしれない。
後頭部に温かいものが流れ落ちた。
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†NANA†(プロフ) - ページ31で、」が1つ多い所があります。 (2018年5月26日 6時) (
レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 不知火さん» I'm really glad to see your heartful message!! 核心をついたコメント、とても嬉しいです。ニヤついて頂けて本望ですので、電車だろうがどこだろうが、笑ってください。ヒソカの気持ち悪さを愛する作者の気持ち悪さ(？)が少しでも伝わったなら、幸い。 (2018年4月7日 15時) (レス) id: a6c8ba769b (このIDを非表示/違反報告)
不知火 - ヒソカいい性格してますよねwニヤニヤしながら見てますw (2018年4月7日 7時) (レス) id: 01371eb627 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます！笑って頂けて、とても嬉しいです。ヒソカのズキューンは、もはや彼のアイデンティティだと思っています。 (2018年3月16日 14時) (レス) id: ff4e3584c3 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 土方紅葉さん» いつもありがとうございます。ニヤニヤして頂けているだけで、私、昇天します。ヒソカたまらないです。 (2018年3月16日 14時) (レス) id: ff4e3584c3 (このIDを非表示/違反報告)
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