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それに比べて、メンチ試験官は細い人だ。
彼ほどたくさん食べるはずがないから、二次選考を通過できる人数はかなり絞られるはず。
「アタシのお題は、スシよ！！」
途端、受験生たちに動揺の波紋が広がった。当たり前だ、スシなんて食べ物は聞いたことがない。
「料理器具をご覧なさい。そして、最大のヒント。スシはスシでも、握りスシしか認めないわよ」
調理台の前に立ったはいいが、皆、当惑していた。私は、調理器具から何かヒントを得ようと一つ一つ道具を調べていた。
母はいろんなものを食べさせてくれたし、一緒に台所に立った経験は役に立つはずだと思っていたが、包丁も見覚えのない形をしている。
少なくとも、野菜や畜肉を切るためのものではない。
細く長いそれは、切る対象を一筋で切れるようにしてあるらしく、包丁を往復させてはいけないことが伺える。
また、火を用いるような鍋やフライパンなどもない。つまり、火を通す必要のない料理。
用意されたご飯を一口食べてみると、僅かに酢の香りがする。酢は、生もの特有の臭いを消す。
つまり、ご飯と一緒に生の何かを食べる、というのがスシなるものらしい。
「メンチさん、材料は森林公園の中にあるものを使っていいの？」
「もちろんよ」
調理場にいても埒があかないと判断した私は、とりあえず森の中を歩き回ることにした。
獣はたくさんいる。でも、畜肉ではない。
悩みながら歩いていると、川に出た。辺りを見回しても、畜肉でないものは見当たらない。
岩に腰掛けて川を眺めながら、くじら島でゴンがよく釣りをしていたのを思い出した。
突如、インスピレーションが沸いた。
畜肉でない肉。それは、魚肉だ！！
私は、服を脱ぎ捨てて川に飛び込んだ。
大きな魚を捕まえて、岸に上がった。冷たい川の水は心地よかったが、うかうかしてはいられない。
ブルブル、と体を振るってあらかたの水滴を落とし、体が乾くのを待った。
魚にとどめを刺すのは、調理場に戻ってからでいいだろう。
生ものは鮮度が命だ。
「やあ、ステキな格好だね♡」
「ぎゃあああ！！！」
気配なく背後から現れたヒソカに、私は慌てて体の前を手で隠した。
「後ろ向いててアゲルから、早く服を着なよ♡それとも、ボクに食べて欲しい？」
「いっ、言われなくても！！」
どこから湧いてきたんだこの変態は。もしかして、ずっと後をつけていたのだろうか。そうしたら、すでに全裸は見られていてもおかしくはない。
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†NANA†(プロフ) - ページ31で、」が1つ多い所があります。 (2018年5月26日 6時) (
レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 不知火さん» I'm really glad to see your heartful message!! 核心をついたコメント、とても嬉しいです。ニヤついて頂けて本望ですので、電車だろうがどこだろうが、笑ってください。ヒソカの気持ち悪さを愛する作者の気持ち悪さ(？)が少しでも伝わったなら、幸い。 (2018年4月7日 15時) (レス) id: a6c8ba769b (このIDを非表示/違反報告)
不知火 - ヒソカいい性格してますよねwニヤニヤしながら見てますw (2018年4月7日 7時) (レス) id: 01371eb627 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます！笑って頂けて、とても嬉しいです。ヒソカのズキューンは、もはや彼のアイデンティティだと思っています。 (2018年3月16日 14時) (レス) id: ff4e3584c3 (このIDを非表示/違反報告)
Ash(プロフ) - 土方紅葉さん» いつもありがとうございます。ニヤニヤして頂けているだけで、私、昇天します。ヒソカたまらないです。 (2018年3月16日 14時) (レス) id: ff4e3584c3 (このIDを非表示/違反報告)
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