66.時透 ページ26
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『次ノ任務ダァア!!場所ハ那田蜘蛛山ァ!!!!』
そうAの鎹鴉が次の任務を告げた。那田蜘蛛山という山の名前を聞いて、ニヤニヤと口を緩ませながらほおけた表情をしている。その那田蜘蛛山とやらに何かあるのだろうか。
やっぱりAは謎が多い。
そんな事を考えていれば、ギュンッと効果音がつきそうなほど勢いよく僕の方へ振り向いたA。
「無一郎君!次の任務が決まったよ!」
「へぇ、今度は気を抜かないようにね」
それからAは僕とキスするまで死ねない、だとまた意味分からない事を話してくる。僕以外にもそんな事言ってるのかななんて考えればイライラしてきた。から毒舌を吐いてしまった。
なんでこんなイライラするんだろう。でもなんかむかつく。
「じゃあ私はもう行くねお別れだね」
「そうだね、病室が静かになって傷が早く治るよ」
「・・・うわあああぁぁん!なんでそんなに冷静なのむいちろーくん!!私は寂しくて死にそうだよ無理イィィィ!!やっぱ任務行きたくないー!」
「何駄々こねてるの。本当に年上?」
「年上ですごめんね!無一郎君は寂しくないの!?」
「ばいばい」
「うわおええぇぇん!!」
子供のように駄々を捏ね叫ぶAに「うるさいよ」と言おうとした刹那、Aが僕に抱きついてきた。
人に触られるのはそこまで好きじゃないし、引き離せば良かったんだけど何処か心地いい感覚がして離さなかった。下を向けばAの華奢な体。
こんな体で本当に戦ってるの。折れそうなんだけど。
「はあぁ、今度また会ったら無一郎君と一緒にふろふき大根食べたい!折り紙も一緒にしたい!」
「・・・しょうがないな、任務頑張ったら付き合ってあげる」
「本当!?」
なんとなく気分が良かったから了承すれば、Aの輝いた瞳がパッと僕を見つめた。子供みたいに無邪気で年上に見えない。
君は弟にならないか、なんて僕に言ってきたけど絶対嫌だ。こんな手のかかる兄弟絶対に疲れる。
・・・それに君と兄弟っていうのは何か違う感じがする。
「紙飛行機飛ばし勝ってみせるよー!」
「無理、脳のないAじゃ」
「えっ紙飛行機って脳使うっけ。えっ」
「ふふ」
刹那、Aの阿呆な顔が面白くて口角が緩んだ。自分でも自分が笑ったなんて気がつかなかった。記憶が無くなって以来、心の何処かで不安が募って笑う事なんてなかったから。
Aってなんなんだろう。意味わかんない。
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うえ - んぎゃ..鬼にまで好かれるとか最高すぎんか..待ってます!! (1月5日 9時) (レス) @page36 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
さめしゃち?(プロフ) - あっ好きです(急)結婚しましょu(((((( すみません取り乱してしまいました^ ^めっちゃにやにやしちゃいましたww更新待ってます!!!! (2023年5月7日 21時) (レス) @page36 id: 94eab444ed (このIDを非表示/違反報告)
Komachi(プロフ) - ふづきさん» あ、へ?え!?なんか褒められました!?あざさです!(?)めっちゃ嬉しいです!(なんのことかよくわかっていない件について) (2022年3月6日 1時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
ふづき - Koma?♂さん» がちでおもしろすぎるww文書く才能ありすぎです (2022年3月6日 0時) (レス) @page36 id: 3d9c5132e5 (このIDを非表示/違反報告)
Koma?♂(プロフ) - ぁぁダァダダァぁ!好きです!もうこういうのをまとめてました!更新頑張ってください!応援してますぅ (2021年11月3日 22時) (レス) @page36 id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにゃねこ44 | 作成日時:2019年8月13日 2時