【鬼滅の刃】色々ツッコミたいけどとりあえず自分の顔が可愛すぎる。弐！

55.勝負の行方 ページ15

.







「君が私を仕留める？」

「うん」

「大口を叩くのも良い加減にしなさい。一度私に重傷を負わされかけたでしょう？それをこの男が庇っただけで。君は私には勝てない」

「勝てるよ。勝たないと私を庇ってくれた時透君に示しがつかないしさ」




淡々と話す私に苛つきが増したのか一層青筋を立てる糸目鬼。強い殺意の念が私を包むのが分かる。


でも怖くない。恐らく私も殺気を発しているからだろう。私がこの鬼に殺られたら時透君も死んでしまう。・・・絶対に死なせたくない。死なせない。




「何で貴方は私のものになってくれないのですか？昔だって貴方はいつも何処か掴めなかった！」

「・・・昔？」





虚ろな目で感情的に叫ぶ糸目鬼。"昔"という言葉が何処か引っかかる。私はこの鬼に会った事なんて一度も無い。

もしかしたら人間だった頃の記憶と鬼との記憶が混ざっているのかもしれない。




「私のものにならないならば、死になさい」

「死ぬのは貴方だよ。大馬鹿野郎」

「抜かせ小娘。血鬼術 千羽鶴!!」





糸目鬼が発動したのは時透君を傷つけた攻撃だった。糸目鬼の右手から紙が発生し、形が変わり千羽の鶴に姿を変える。先程は全て白い鶴だったが、今回は全ての鶴が黒い。



攻撃を最大まで強化したのだろう。



この糸目鬼の、最後の切り札技といったところだろうか。威力が桁違いだと肌が訴えている。

時透君は何とか立ち上がろうとしているが身体は限界を超えて地面へと委ねてしまう。刹那、彼は私に"逃げろ"と一言言った。彼の顔はこの状況でも闘おうとしている目だった。



・・・ほら、時透君のどこがちっぽけなんだよ。




「死ね！！！！」

「私は！死にません！！」




一斉に千羽の鶴が私に直進する。


刀で弾き返すも流石に全ての攻撃は受け流せなくて、数羽の鶴が私の体を引き裂く。


怪我なんて転ぶか教科書で指切るか変な歩き方して足ひねったくらいだ。人生で初めて経験するはっきりとした痛みに顔が歪む。とてつもなく痛い。



でもさ、




「時透君の痛み！返してやるよ!!」

「……ッ!?」



今私が受けてる痛みより、私を庇って怪我した時透君の傷の方がよっぽど痛ましいに決まってる。


痛いとか抜かしてないで、進め！AA！！




敵の間合いに入った。もう一度大きく呼吸を整え、刃を相手の頸元目掛け振るう。





「愛の呼吸 壱の型、昂然無慈悲!!!!」




振り終わったと同時に、鬼の頸が地面へ転がった。

56.鬼過去→←54.有名だよねバルス

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す