43.何処か掴めない ページ3
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視界が一面レトロでAの目が輝く。
周りを見渡せば甘味処や、落語を公演している所、歌舞伎など昔ながらの物が沢山あった。落語や歌舞伎等自分には無縁の存在だと思っていたが、実際自分の目で見れば中々面白そうだ。
子供の様に色々な店を行ったり来たりしてはしゃぐA。
「わ!凄い凄い!見てコロッケが売ってるよ!!」
「……え?こういう所来たことないの?」
「全然無い!凄いレトロだーっ!」
「これくらいではしゃげるなんて良い頭してるね。どっちが年上なんだか分からなくなるな」
なんて呟いた時透君。妙な色気が漂ってくる。
やっぱり恋人なんて望んだ事は言わないから弟に来ないかな時透君。私の面倒を見れるのはきっと君しかいない。養わせて欲しい切実に。
私が前世で地球を救っていたらトリップ特典豪華になって時透君が弟だったりしたかな。生憎前世では階誰転げ落ちただけだわ。
「・・・君は不思議だよね」
「ん?」
「城下町一つでそんなにキラキラした輝きが瞳に秘められてる。今時そんな人いないでしょ」
「うーん・・・。多分城下町じゃなくて時透君と来てるお陰かな!目が輝いてるのは!」
「僕?」
時透無一郎はすこぶる不思議そうな表情でAを見つめた。
「多分一人で来てたら楽しくなかったと思う。ぶっちゃけ歌舞伎とか能とか興味無いもん私!時透君と歩くから楽しい!だからもし私の目が輝いてみえたなら時透君パワーだね!!」
「意味分かんない」
「まあ時透君好きって事だよ!」
「雑に纏めないでくれる?」
時透無一郎の華麗なツッコミがツボに入ったのか、白い歯を見せて笑うA。
何処にそんな笑える要素があったのか、と時透無一郎は思った。目の前の彼女は僕と一緒に城下町に来ているだけで何故こうも笑顔になれるのかとも思った。
僕はそんな面白い人間じゃないでしょ。
「甘味処行かない!?デート!世に言うデートだこれ!うあああぁぁ尊い」
「偽だけどね」
「分かってるわ!レンタル彼氏的な奴だよな!いや違ぇわ任務だわ。恋仲(偽)だよねひとときの夢でも私は嬉しいよ!!」
やっぱり此奴馬鹿。
「ねぇ、君って掴みにくい」
「時透君もね!」
なんて再び笑いながら言った目の前の彼女。
彼女の輝いた笑顔を見た瞬間、きっと気のせいだろうが僕の心の内側の何かが微かに音を立てた様な気がした。
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うえ - んぎゃ..鬼にまで好かれるとか最高すぎんか..待ってます!! (1月5日 9時) (レス) @page36 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
さめしゃち?(プロフ) - あっ好きです(急)結婚しましょu(((((( すみません取り乱してしまいました^ ^めっちゃにやにやしちゃいましたww更新待ってます!!!! (2023年5月7日 21時) (レス) @page36 id: 94eab444ed (このIDを非表示/違反報告)
Komachi(プロフ) - ふづきさん» あ、へ?え!?なんか褒められました!?あざさです!(?)めっちゃ嬉しいです!(なんのことかよくわかっていない件について) (2022年3月6日 1時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
ふづき - Koma?♂さん» がちでおもしろすぎるww文書く才能ありすぎです (2022年3月6日 0時) (レス) @page36 id: 3d9c5132e5 (このIDを非表示/違反報告)
Koma?♂(プロフ) - ぁぁダァダダァぁ!好きです!もうこういうのをまとめてました!更新頑張ってください!応援してますぅ (2021年11月3日 22時) (レス) @page36 id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにゃねこ44 | 作成日時:2019年8月13日 2時