9.鳥肌発生中 ページ10
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「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり、外に出ることはできません」
「山の麓から中腹にかけて鬼共の嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます」
同じ顔をした黒髪と白髪の二人の案内役が最終選別について淡々と語る。
二人とも可愛いけど目が死んでるんよな。確か黒髪の方が男だった気がする。こんな可愛い子が男とか女が泣くわ。藤の花似合いすぎだわ。
「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼共がおります。この中で七日間生き抜く」
「それが最終選別の合格条件でございます。では言ってらっしゃいませ」
案内役が喋り終えれば、場にいる全員が一斉に進んでいく。善逸君を除いてだが。
皆んながそれぞれ色々な想いを抱いているのだろう。横で共に進む炭治郎の顔つきも真剣だ。
「炭治郎はなんで鬼殺隊に入ろうと思ったの?」
「俺は……大事な人を死なせないために、妹を守るために入ろうと思った。それだけだよ」
「そうなんだ」
禰豆子ちゃんの事情は話してくれなかったが、今話してくれたことは全て事実だろう。
やっぱり妹想いのいいお兄ちゃんだよね、炭治郎って。禰豆子ちゃんにも会ってみたいな。で、炭治郎が許すならばギュってしたいな。うん。
「Aの表情はいつも明るいんだな」
「笑顔でいる方がいいからね!もしかして私に惚れちゃった感じ?いいんだよ惚れても!!」
「またそんなこといっ……」
言い切る前に私の手をとり、立ち止まる炭治郎。
到底甘いシチュエーションなどではなく、気配がしたのだ。鬼の。
「オイオイてめぇは向こうに行け。俺がこいつらを食う」
「いや貴様が失せろ!」
「俺の獲物だぞ!」
「黙れ!!」
視界に映ったのは二人の鬼、どうやら論争しているらしい。
実際に見る鬼はこの人達が始めてだな。モブ感がとてつもなく凄い。
「女の方は稀血じゃねえか!匂いで分かるぜ!!」
「食べ応えありそうだなぁ……!!!!」
私を見て舌舐めずりをする鬼二人。
……なんだこいつら!なんだよこいつら!!いや鬼なんだけどさっ!?いやいや鳥肌!!鳥肌発生したよ!!!
「ほら!貴方達のせいで鳥肌!鳥肌って寒いときに出るもんだと思ってた!!初体験!」
「久方振りの人肉だ!!」
ガン無視かな。
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白鳥V2(プロフ) - お久しぶりです、久しぶりに見に来て見たらめちゃくちゃ人気な作品のようでびっくりしました、鬼滅大好きなので見ようと思います! (2021年10月28日 11時) (レス) id: 69729d8d2c (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿(プロフ) - 昔、別のアカウントでHUNTER × HUNTERの作品を書いていらっしゃったことはございませんでしょうか…? (2020年11月3日 17時) (レス) id: 0fdd3772a7 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 凄い好きです!!ただ、お館様の台詞の、「5人も生き残ったのかい」っていうのは、6人じゃないですか・・・?五感組+夢主ちゃんなので・・・。間違ってたらすみません!! (2020年8月5日 3時) (レス) id: 524cbd41f4 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 林檎 - 善逸と主人公お似合い。 (2020年5月6日 21時) (レス) id: a7e0927490 (このIDを非表示/違反報告)
Agust d(プロフ) - 夢主ちゃんのテンション大好きです なんか私の妄想をすべて叶えてくれているという、最高の作品だと思っております! 続編もニヤニヤしながら読んでいきたいと思います 更新ファイティンです♪ (2020年4月2日 20時) (レス) id: 1eca6bf241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにゃねこ44 | 作成日時:2019年7月3日 16時