【鬼滅の刃】色々ツッコミたいけどとりあえず自分の顔が可愛すぎる。

10.震える強い手 ページ11

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言葉が耳に入らないのか一直線に私へと向かってくる鬼。

いやちょっと待てよ、話聞いてよ。私を食べていいのは鬼舞辻無惨様だけだからな。食べられてたまるか。




「A、後ろに」

「あ、うん！」



私を庇う様にして前に立つ炭治郎。刹那、繰り出された炭治郎の技。

___全集中・水の呼吸、肆ノ型 打ち潮。



炭治郎は私まで殺そうとしているのか。精神的に。だって炭治郎の水の呼吸を肉眼でもろ見てしまったら私じゃ無くても惚れちゃうよ！下手したら叫びすぎて喉潰すこれ。



「凄いカッコいいよっ!!ひゅーひゅー！」

「ッ!?」



勢いで抱きついてみれば、炭治郎はみるみる顔を赤くする。

しまいには"離れるんだ"と顔を隠す素振りを見せる美少年。可愛さは人をも殺すね。齢15歳で死ぬとかハードモード過ぎだわ。



「大好きだよちゅっちゅっ！」

「そんな簡単に好きとか言うな。恥ずかしいだろう！ここは最終選別なんだから危機感を持て」

「う、そうだよね。ごめんね」

「分かれば良し」



さすがに命をかけて来てる最終選別なんだから少しは抑えなきゃ駄目だよね。自重しよう。


溜息一つついたかと思えば、顔を渋くして鼻を抑えた炭治郎。




「どうしたの？」

「いや……今腐った様な臭いが」



その腐った様な臭いの正体は、そう長い時間をかけること無くあっさりと解決する。




「うわアアア!!!!」

「うえっ！？」

「またっ！」



ザッと草むらから叫んで出てくる剣士。

また抱きついてしまった私を、炭治郎はジト目を向けてくる。



違うの、違うんだ自重してたんだよ。してたんだけど今のは本当に反射的に驚いて抱きついちゃったんだよ。


「何で大型の異形がいるんだよ！聞いてないこんなの！」



剣士が叫びをあげる相手はズルリとあっさり出てきた。原作で見たもののやはり生で見ると恐ろしい姿。

何本もある手。その中の一本には先程まで最終選別を受けに来た剣士が握られていた。首を握られているのだからもう死んでいるのだろう。


私達は死角になり異形の鬼には見えていないらしい。

……錆兎と、真菰ちゃんを殺した鬼。



「ギャアアアアッ!!!!」



先程草むらから逃げてきた剣士を異形の鬼が捕らえてしまった。



「Aは隠れてろ」

「たんっ」



炭治郎は私を安心させるためか私の肩を強く掴み、微笑みを向けながら言った。手は震えているのに、怖い筈なのに、必死で守ろうとする。


そんな君だから好きなんだよ。

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