【鬼滅の刃】色々ツッコミたいけどとりあえず自分の顔が可愛すぎる。

38.きびぞうさん ページ39

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あれから丁度二週間後。

思い返してみれば暇って地獄だと思う。宿屋で寝てご飯食べて体休めるだけの日々。テレビやスマホなんて以ての他、あるとすれば難しい本だけ。


今まで学校の読書感想文でさえ面倒くさがっていた私が難しい本など読めるものか。




『体ハ休マッタカ？』

「身体は休まったけど精神が疲れた」

『何故精神ガ疲レル』

「もう二週間炭治郎と善逸と玄哉君に手紙を書いて終わったよ。暇過ぎて精神疲れ！」

『オ前、平和ナ奴デ良カッタナ』





うん、多分本当そう。



チャッピーの言葉を否定しない。令和は何でもあって何不自由なく暮らせて、いつの間にか便利が当たり前だと思ってたから。大正時代に来て物の有り難みが初めて分かった。


平和ボケしてたんだろうなー。




「炭治郎達に現代の美味しい物とか食べさせたかった！今度特性おにぎり作ってあげよう！」

『俺ニハ無イノカ??』

「勿論君にも作ってあげるよ！！」



なんて言えば嬉しいのか羽をパタパタとさせているチャッピー。首下を撫でてやれば気持ち良さそうに目を閉じた。


鳥って怖いと思ってたし、実際此奴口悪いけど存外可愛いななんて思う。





「チャッピーにも可愛いところあるじゃん！よーしよし!!」

「おい」

「……」

「おい小娘」

「…………」

「AA!!!!」

「はひっ!!??」




チャッピーを可愛がっていれば、後ろから聞こえる声。私ではないだろうと無視していれば大きく呼ばれた自分の名前。同姓同名なんて無いだろうから私よな。私だな。

反射的に後ろを振り向けば、ひょっとこのお面をつけた男の姿。



「無視しやがってこの小娘が」

「は？え？あ、もしかして」

「そう、豨尾蔵だ」



いや誰！！！！

なんて盛大にツッコミを入れてしまった。名前を聞きたかったわけじゃないんだけどな。




「違くて！もしかして鍛治師の方ですか？」

「刀に向ける情熱は日本一。豨尾蔵とは俺のことよ！俺に刀を打って貰えた事に感謝しな！」

「鍛治師さんなんですね!!」



人の話全然聞かねぇな豨尾蔵さん。


ひょっとこのお面と背に背負った箱。そして豨尾蔵さんの言葉からすればこの人が私の日輪刀を打ったのだろう。



「ん？おい小娘、お前が刀を振れるのか？か弱そうな奴だな。俺の刀に相応しくなけりゃ切るぜ」

「へっ、切る!?」

「真っ二つに」

「……why？」





待ってくれ。

人の話聞かないだけじゃなく、この人こあい。

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