すいません、ドタイプです。【赤 葦 京 治】��

ドタイプ79 ページ31

鉄朗が来てくれて安心したのか私はそのまま床にへたり込む。




「黒尾じゃん」




「遊び相手が欲しかっただけだよ」




またニヤニヤしながら言う先輩達を無視して鉄朗は私の傍に来てくれた。




そしてネクタイとＹシャツを優しく直してくれる。




『鉄朗、』




「大丈夫か」




そう言って鉄朗はいつの間にか流れていた涙を拭ってくれた。




『うん……鉄朗が来てくれたから』




次の瞬間、私は鉄朗に抱き締められた。




暖かくて安心してまた泣きそうになる。




「よしよし、頑張ったな偉いな。遅くてごめんな」




なんて言って頭を撫でてくれるもんだから自然と涙が溢れて来る。




『っ…そ、んなこと、ない…っ』




それから私はしばらくの間泣いていた。




本当に怖くて、気持ち悪くて。でも鉄朗が来てくれて安心してたくさん泣いた。




と言うか、鉄朗の前でこうやって泣くの初めてかもしれない…




私が泣いている間、鉄朗は私をずっと抱き締めたままで頭を撫でてくれた。




.




「落ち着いたか?」




『うん、ありがとう…鉄朗』




腕を解いた鉄朗はまた優しく頭を撫でる。




なんでこんなに安心するんだろう。




「他の奴らは先帰らせたから今日は2人で帰るか」




『うん』




そう言って私と鉄朗は床から立ち上がり教室を出る。




「昔みたいに手繋ぐか?」




そう言って私に手を差し出す鉄朗。




『はぁ?なんでよ』




「鉄朗お兄ちゃんとおてて繋ぎませんか〜?」




ニヤケながら手をヒラヒラさせる鉄朗。




『仕方ないなー。繋いであげる!!』









今日は少し甘えることにしてみた。

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